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完結第6話
娘と消えた三分後
出産の時、命が危うくなるほどの難産を乗り越え、私は娘・桜を産んだ。 けれど義母は、娘の誕生を喜びながらも、ずっと「次は男の子ね」と言い続けた。医師から「次の妊娠は危険」と告げられていたにもかかわらず、夫は私を守ることなく、ただ黙っていた。 やがて夫は、別の女性との間に子どもができたと告げる。 「男の子だ。離婚してほしい」 私は用意していた離婚届に静かに署名し、3分後、娘を連れて家を出た。 その翌日、夫と義母は“待望の男の子”の検診へ向かう。 しかし診察室で医師が告げた一言に、元夫家族は凍りつくことになる。 娘を「足りない命」と扱った家族が、最後に知ることになった残酷な真実とは――。人生逆転|真実|行方不明9.1千字5 1087 -
完結第8話
42人が消えた渚
1990年、鳥取の小さな町で、42人の高校生がクラスごと忽然と姿を消した。 合宿先から消えた彼らは、遺体も荷物も見つからず、事件はいつしか「神隠し」と呼ばれるようになる。息子・勇気を失った母・大山さち子は、27年間、彼の部屋をあの日のまま残し、帰りを待ち続けていた。 しかしある日、古い卒業アルバムを開いたさち子は、集合写真に奇妙な変化を見つける。 42人のうち、5人の顔にだけ浮かび上がった黒いシミ。 ただの劣化とは思えないその印を追って、さち子は被害者家族、廃校となった母校、そして子どもたちが最後に目撃された海岸へ向かう。 誰も語ろうとしない町。 担任教師が隠していた「星探しの約束」。 そして夢の中で息子が指し示した、夜の海と一粒の砂。 27年間閉ざされていた真実は、消えた子どもたちが本当に“どこへ行ったのか”を静かに示し始める――。行方不明1.2萬字5 466 -
完結第5話
竹林の黒い水
1989年、佐賀県武雄市の裕福な竹農家で、一家3人が忽然と姿を消した。 残された嫁・斎藤吉江は、泣きながらこう証言する。 「夫が義両親の金庫を奪って、女と逃げたんです」 酒とギャンブルに溺れていた1人息子・修二ならあり得る話だと、村人たちは誰も疑わなかった。吉江は、逃げた夫と義両親を待ちながら農場を守る“健気な嫁”として同情され続ける。 しかし12年後、大雨で崩れた竹林の土の中から、錆びたドラム缶と人骨が発見される。 見つかったのは、失踪したはずの義父母の遺骨。そして捜査が進むにつれ、夫・修二が女と逃げたという話にも不自然な点が浮かび上がっていく。 竹林に埋められていたのは、遺体だけではなかった。 12年間、村人たちが信じ込まされていた嘘。毒にまみれた農場。泣く嫁の裏に隠された、あまりにも冷たい真実。 黒い土の下で眠っていた罪が、ついに地上へ姿を現す――。ミステリー|真実|行方不明6.6千字5 3517 -
完結第8話
東京駅に消えた母
1988年、ソウル五輪の熱気に包まれていた東京駅で、72歳の老女・佐倉ミサが忽然と姿を消した。 初期の認知症を患っていた彼女は、長男の一に連れられて駅を訪れていた。息子は「母が手洗いに行ったまま戻らない」と警察に訴え、必死に捜索ビラを配り続ける。 町の人々は、母を見失ったことを悔やみ続ける一を「親孝行な長男」だと信じていた。 しかし27年後、古い捜査記録の中から、奇妙な銀行記録と1枚の乗車券台帳が見つかる。 ミサが行方不明になる直前、彼女名義の通帳から金を引き出していた人物。 そして東京駅で売られていた、熱海行きの切符。 27年間、供養を続けてきた長男の涙は、本物だったのか。 東京駅の人波に消えたはずの老母の行方と、親孝行を演じ続けた息子の正体が、ついに明らかになる――。ミステリー|真相|行方不明|親子関係1.2萬字5 220 -
完結第5話
柿の木の下の息子
1995年、埼玉県上山村。 医学部に合格し、村中から祝福されていた青年・高橋純也が、祝賀会の夜を境に忽然と姿を消した。 警察は家出として処理し、村人たちも真相を知ることなく年月だけが過ぎていく。父・聖太郎は、息子がいつか帰ってくると信じ、家を離れず待ち続けた。 それから7年後。 再開発工事のため、聖太郎の庭に植えられていた柿の木が掘り返される。その根元から現れたのは、白骨化した人間の遺体だった。 そばに残されていた古い受験票。 そこに書かれていた名前は、7年前に消えた息子・高橋純也。 息子はなぜ、父が毎日見守っていた柿の木の下に埋められていたのか。 祝賀会の夜、純也と最後に一緒にいた友人。そして、医学部合格をめぐる嫉妬と消えた友情。 7年間、土の下に隠されていた真実が、ようやく掘り起こされていく――。ミステリー|真実|行方不明7.3千字5 1077 -
完結第6話
秩父の森に残された映像
2003年、卒業課題のために秩父山中へ向かった5人の大学生が、森の奥で忽然と姿を消した。 彼らが調べようとしていたのは、管理区域外で夜ごと聞こえるという重機の音と、地図にない工事現場の噂。ビデオカメラ、GPS、無線機を持って森へ入った5人は、やがて人の気配が消えたはずの山中で、不自然な構造物と誰かに見張られているような視線を感じ始める。 そして最後の夜。 暗闇の中で響いた悲鳴、壊された車、森の奥へ消えていく仲間たち。翌日発見されたのは、傷を負い、怯えきった1人の生存者だけだった。 事件は山岳事故として処理されかけ、4人の行方は分からないまま時だけが流れていく。 しかし7年後、秩父の山中で発見された1台のビデオカメラが、封じられていた真実を再び呼び覚ます。 そこに映っていたのは、ただの遭難では説明できない、森の奥に隠された“誰かの罪”だった――。ミステリー|行方不明9.2千字5 467 -
完結第5話
白いワンピースの帰還
1997年5月、郊外のパチンコ店で、6歳の少女・桜が母の目の前から忽然と姿を消した。 白いワンピースを着て、お菓子の棚の前に立っていたはずの娘。母が一瞬だけ目を離した直後、桜の姿はどの防犯カメラにも映らなくなっていた。 店内にはいくつもの死角があり、監視映像には不自然な途切れが残されていた。駐車場にも、正面出口にも、桜が1人で出ていく姿はない。ただ、黒い服の男と白いワンピースの子どもを見たという曖昧な証言だけが残った。 迷子なのか、連れ去りなのか。 警察は店の映像、管理会社の記録、港へ向かった車の目撃情報を追うが、決定的な証拠は見つからない。事件は未解決のまま、家族の時間だけが止まっていく。 それから14年後。 美咲と久志の自宅玄関前に、差出人不明の段ボール箱が届く。中に入っていたのは、桜が消えた日に着ていたはずの白いワンピース。 そして、一通の短い手紙。 「私は生きている。心配しないで」 14年前、パチンコ店の柱の影で何が起きたのか。消された映像の裏にいた人物とは誰なのか。 段ボールに残されたわずかな手がかりが、長く閉ざされていた真実の扉を開き始める。ミステリー|真実|行方不明7.1千字5 1089 -
完結第6話
港の消失船長
1994年9月15日、橫浜港の霧深い埠頭で、貨物船の船長・木村俊助が突然姿を消した。 船長室には書類も鞄も殘されたまま。車も港內で見つかったが、本人だけがどこにもいない。最後に彼を呼び出したのは、妻の弟・佐藤健二だった。 事故か、失蹤か、それとも事件か。 真相が分からないまま7年が過ぎ、妻のゆき子は5億円の生命保険を受け取る。さらに、その一部は弟の健二へ渡り、2人は豊かな暮らしを手に入れていった。 しかし20年後、橫浜港の再開発工事で、コンテナの下から一體の遺骨が見つかる。 地下3メートルに埋められていた船長。 そして、止まった腕時計が示していたのは、失蹤當日の朝だった――。真実|裡の顔|行方不明9.3千字5 718 -
完結第5話
金庫に眠る遺言
1995年9月、東京・麻布の高階住宅で、70代の老夫婦が忽然と姿を消した。 玄関の鍵は內側からかかり、室內に荒らされた形跡はない。財布も攜帯電話も外出用の靴も殘されたまま。監視映像には、室內履きのままエレベーターに乗る2人の姿が映っていたが、その後、どこからも外へ出た記録はなかった。 消えた夫婦は、総資産8億円を超える不動産資産家。殘された3人の子どもたちは、それぞれ確かなアリバイを主張し、事件は真相にたどり著けないまま迷宮入りしていく。 やがて失蹤宣告が下され、莫大な遺産は3人の子どもたちへ分配された。麻布の住宅、銀座の商業ビル、箱根の別荘。すべては靜かに受け継がれ、事件は人々の記憶から薄れていった。 しかし25年後、銀行の貸金庫から見つかった一通の手紙が、止まっていた時間を再び動かす。 これは、親の愛と子どもの慾望が壊れていく、25年越しの家族ミステリー。相続|真実|行方不明|金銭問題7.2千字5 2564