婚礼当日、花嫁に逃げられた大庄屋の跡取り・道源は、死を待つほど衰弱した身で、屋敷一卑しい“耳が聞こえず口もきけない”女中・お染を突然妻に選ぶ。 その夜、お染は道源の薬へ白い毒の粉を混ぜる権蔵を目撃。実は道源の叔父・庄兵衛が莫大な家産を奪うため、甥を病死に見せかけて殺そうとしていたのだ。 だが誰も知らなかった。お染は本当に聾唖なのではなく、罪人の娘として追われるため身分を隠した名医の一人娘で、幼い頃から毒と薬を見分ける術を身につけていた。 毎晩薬をすり替え、密かに解毒を続けたことで道源は奇跡的に回復する。追い詰められた庄兵衛は今度こそ道源を殺し、その罪をお染へ着せようとするが、処刑寸前、共犯者・権蔵が突然すべてを白状する――。