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古い風呂敷の遺言

古い風呂敷の遺言

ゆみの記録帖 完結 8

認知症になった義母の介護を、5年間ひとりで続けてきた由美。 夜中の世話、病院の付き添い、介護費用の負担。すべてを引き受けてきたのは由美だった。ところが正月、義実家に集まった親戚たちの前で、義母は長男の嫁と次男の嫁に高級な着物を贈る。 そして由美に渡されたのは、古びた風呂敷包みだけだった。 「残り物よ」 そう言って足元に投げつけられた風呂敷。親戚たちは笑い、夫さえも何も言ってくれなかった。 屈辱に耐えきれず家へ帰った由美は、捨てる前に中身を確認しようと風呂敷を開く。 しかし、そこに入っていたのは料理ではなかった。 分厚い書類の束、通帳、登記簿、そして義母からの手紙。 認知症だと思われていた義母は、この5年間、すべてを見ていた。誰が本当に寄り添い、誰が財産だけを狙っていたのかを。 古い風呂敷に隠されていたのは、義母が最後に仕掛けた、静かな逆転だった――。

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