中卒の兄の正体
弟の結婚式に出席した一は、豪華なホテルの片隅で静かに座っていた。
医師として成功した弟・優馬の晴れ舞台を、ただ兄として見届けるつもりだった。
しかし新婦の父である病院長は、参列者の前で一を見下し、嘲笑する。
「中卒の兄がいるなんて、家柄が知れますな」
高校を中退し、泥だらけになって働いてきた兄。
誰もがそう見下した。
だが、その中卒という過去は、弟を医学部へ進ませるために兄が選んだ犠牲だった。
兄を守るため、ついに弟は立ち上がる。
「義父さん、兄の正体にまだ気づかないんですか?」
その一言で、会場の空気は一変した。
差し出された名刺に刻まれていた肩書きを見た瞬間、病院長の顔から血の気が引いていく。
見下していた“中卒の兄”こそが、自分の病院の命運を握る人物だった――。
因果応報|兄弟姉妹|真相1.0萬字
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