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"ATM扱いされた父の正体" 第8話

倒産ではなかったが、創業者として何でも自分で決めてきた彼にとって、これはきな挫折だった。計も見直さなければならず、直美は翌からフルタイム勤務へ戻ることを決めたらしい。

そこで初めて、別の問題がた。

「母さん、来から週に2だけでも孫を見てもらえないかな」

私は胸が痛んだ。孫に会いたくないわけではないし、むしろ玄関で顔すら見られなかったことが今も寂しかった。ただ、同じ形へ戻ればまた「祖母が面倒を見るのは当然」になってしまうことも分かっていた。

「ごめんなさい。定期に預かるのはもうやめるわ」

「でも母さん、孫のことは好きだろ?」

「好きよ。だからこそ、あなたたちの都を埋めるためだけのにはなりたくないの」

裕介は何も言わなかった。

「会うはおばあちゃんとして会いたい。無料の保育士としてじゃなくてね」

この言葉をにした、私は初めて自分が3どれほど無理をしてきたのか認められた気がした。仕事の夜勤を代わってもらい、腰が痛くても孫を抱き、直美の残業が引けば夕まで作って待っていた。それを私はだとっていたが、と自己犠牲は同じではなかった。

その夜、博は私の話を最まで聞いてから、「それでいい」と言った。

「孫へのと、親の都に使われることは別だからな」

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私は頷いた。

息子夫婦との戦いに勝ちたいのではない。

ただもう。

自分を削ってまで「いい母親」でいる必はなかった。

けて1半ば、裕介と直美が改めてへ来た。今度は事に「で謝りたい」と連絡があり、私は博と相談してげることにした。孫は直美の実へ預けてきたらしく、夫婦だけでリビングのソファに並んで座った。

の裕介なら計を目つようにつけ、会社の話を得げにしていた。ところがそのは黒いニットになコート姿で、目のにはい隈ができていた。直美も化粧はしていたものの、クリスマスイブのような気な表はなかった。

最初にげたのは裕介だった。

「母さん。介護の仕事を馬鹿にして、本当にごめん」

私は何も言わず息子を見た。以ならその言だけで許していたかもしれない。しかし今は、謝罪を急いで受け入れることが相のためになるとは限らないとっていた。

「どうして今は、そううの?」

裕介はしばらく言葉を探した。

「会社で労務の調査が入って、社員とずつ面談したんだ。そこで『社は数字しか見てない』って何にも言われた。俺、がしんどいとか疲れてるとか、そういうものを全部甘えだとってたみたいだ」

裕介はそこで度息を吐いた。

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夜勤けの社員へ休話を掛け、残業が増えても「成する会社なら当たり」と考えていたことを話した。母親が38続けてきた仕事を「汚い」と言えたのも、の労働を価値ではなく収入や肩きだけで判断していたからだと気づいたという。

直美もげた。

「私もお義母さんに甘えすぎていました。保育園が休みでも、お義母さんに頼めばいいとっていて……週4、12く預けていたことがどれだけ変だったのか、自分で全部やるようになって初めて分かりました」

私はすぐに「もういいのよ」とは言わなかった。反省が本物かどうかは、言葉より今でしか分からない。それでもクリスマス翌に会社を助けてほしくてげたとは、の話し方がし違っているようにじた。

はテーブルに枚のを置いた。

の話も理しておこう」

裕介が僅かに構えた。原素材のように過の学費800万円や結婚祝い500万円を返せと迫るつもりは、夫には最初からなかった。それらは親として自分たちが納得して贈ったであり、から請求するのは違うと博は言っていた。

「学費も結婚祝いも返さなくていい。俺たちが自分で決めてしただからな」

裕介が顔をげた。

「ただし、これからは援助を提にするな。

宅の繰りげ返済にすつもりだった1000万円も、孫の私費用として考えていた資も、に戻す」

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