孫娘の七五三の日、69歳のすみは、亡き夫が褒めてくれた着物を着て神社へ向かった。 写真代、衣装代、食事会の費用まで出したのは、すべて孫の晴れ姿を祝いたかったから。けれど当日、息子夫婦から告げられたのは、あまりにも冷たい一言だった。 「家族だけで撮るから」 カメラの前に並ぶのは、息子と嫁と孫の3人だけ。すみは輪の外に立たされ、食事会でも末席に座らされる。 それでも孫のために黙っていたすみだったが、後日、写真館から届いた連絡で、彼女はすべてを知る。 自分は写真に入れなかっただけではない。写り込んだ姿さえ、“不要人物”として消されようとしていたのだ。 その夜、すみは古い帳面を開く。 そこに残されていたのは、息子夫婦へ渡してきた数々の援助記録。積み重なった金額と、消された祖母の証拠を前に、すみはついに静かな決断を下す。