"桜袴の女組長" 第11話
「々は、必なだけきます。結お嬢さんの常には、を落としません」
私は頷いた。
「頼むわ」
「はい」
黒が帰った、私は修繕された袴をもう度見つめた。
結が隣から言った。
「おばあちゃん、んでるかな」
「きっとね」
私は袴をそっと抱きしめた。
「お母さんも、結の入学式を見たかったとうわ」
「おばあちゃんって、どんなだったの?」
結の問いに、私はし考えた。
母のことを話す、いつも言葉を選んでしまう。優しいだけのではなかった。芯がく、違ったことを嫌い、私が裏のへむことを最まで止めただった。
「厳しいだったわ」
私は正直に言った。
「でも、とても優しいでもあった。お母さんが違った方向へかないように、最まで配してくれた」
「お母さんも、おばあちゃんにられたことある?」
「たくさんあるわ」
私が笑うと、結もし笑った。
「でも、お母さんはおばあちゃんのこと好きだったんだね」
「ええ。好きだった」
結は修繕された袖にそっと触れた。
「ゆいも、この袴好き」
その言だけで、私は救われた気がした。
母の形見は、ただのではない。
母の教えそのものだった。
どんなを歩んでも、としての筋だけは通しなさい。
その言葉は、私のでずっときている。
裏のに入ったも、組織を継いだも、健太と会ったも、結を産んだも、そして礼子と向きったあのも。
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私はその言葉に背を押されてきた。
あの、私は暴力を振るわなかった。
りに任せて礼子を叩き潰すこともできた。会社ごと潰すこともできた。族も活も、全て奪うことさえできた。
でも、それは母の教えに反する。
私がやったのは、相に自分のを分からせることだった。
礼子が踏みにじったもののさを、礼子自にいらせることだった。
それで分だった。
数、結は学からるい顔で帰ってきた。
「お母さん、今ね、友達できた」
玄関で靴を脱ぐなり、嬉しそうに言った。
私はわず顔をげた。
「本当?」
「うん。隣の席の真央ちゃん。折りくれたの」
結はランドセルからさな折りのを取りした。
淡いピンクの。
し器用に折られていたけれど、温かいものだった。
「よかったわね」
「うん。、緒に遊ぶ約束した」
結の笑顔を見て、胸の奥が柔らかくほどけていった。
子どもたちは、ほど偏見を持たない。
もちろん、親から余計なことを聞かされる子もいるだろう。私のことを怖いだとう庭もあるかもしれない。
それでも、結には結の世界がしずつでき始めていた。
それが何より嬉しかった。
夜、結が寝た、私は縁側に座って空を見げた。
の夜が、庭のを静かに揺らしていた。
健太。
見てる?
結、友達ができたよ。
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私はので夫に語りかけた。
普通の子として育てる。
その約束を、まだ私は守れているだろうか。
完全に普通とは言えないかもしれない。
でも、私は必に守ろうとしている。
娘の笑顔を。
娘の未来を。
そして、としての筋を。
夜空には、いの向こうにが浮かんでいた。
そのが、母と健太の両方に見守られているようで、私は静かに目を閉じた。
1ヶが経った。
礼子は、保護者社会から完全に姿を消した。
学事にも、保護者会にも、役員の集まりにも切顔をさない。娘の送り迎えは運転任せになったと聞いた。たまにのからの様子を見ているらしいが、へてくることはない。
かつて彼女の周りにいた取り巻きたちは、誰も彼女の名をにしなくなった。
あの、礼子と緒になって私を笑っていた母親たちは、今では私を見るたびにくをげる。
「おはようございます、島さん」
声は丁寧だ。
けれど、その奥には怯えがある。
私はそれに気づいていたが、何も言わなかった。
恐れられることは望んでいない。
けれど、結を守るために必なら、それも受け入れるしかなかった。
建設への融資は、約束通り継続している。
ただし、以のように甘くはない。
黒が直接、毎の監査をっている。帳簿の備、資の流れ、役員報酬、請けへの支払い。
すべて細かく確認している。
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