"桜袴の女組長" 第6話
結を傷つけた者を、許すわけにはいかないんだ。
そして娘に誓う。
結。
お母さんは必ずあなたを守る。
どんなを使ってでも。
「結、もう丈夫よ」
私はさく囁いた。
「お母さんが、全部終わらせるから」
その、の方からエンジン音が聞こえてきた。
な級のエンジン音だった。
1台。
2台。
3台。
黒塗りの級が、次々とに横付けされる。
センチュリーをにした、最級の国産だった。
がまり、ドアがく。
黒いスーツにを包んだ男たちが、次々とりてきた。
1、2、3。
計で10以。
全員が無駄のないきでからり、周囲を静かに見回した。鋭い。った姿勢。般の保護者たちとはらかに違う空気をまとっている。
最にりてきたのは、190cmい巨体の男だった。
黒だった。
黒は周囲を瞥した、私の方を見た。
そして男たちを引き連れて、まっすぐこちらへ歩いてくる。
庭にいた保護者たちが息を呑んだ。
ざわめきが広がる。
「何、あれ……」
「誰?」
「怖い……」
礼子の顔から血の気が引いていく。
「だ、何なの、あれ……」
震える声で呟いた。
黒たちは私のでち止まった。
そして斉に、々とをげた。
「姉さん、お迎えにがりました」
黒のい声が、庭に響き渡った。
周囲が完全に静まり返った。
保護者たちは恐怖で固まり、子どもたちの何かは親のろに隠れた。
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先たちも、何が起きているのか分からず、そのでち尽くしている。
礼子は震えながら私を見ていた。
黒の線が、私の袴の破れた袖に落ちる。
その表が、瞬で険しくなった。
「姉さん、そのお召し物、どうなさいました?」
く、りを含んだ声だった。
私は静かに答えた。
「し、トラブルがあってね」
黒の目が鋭くった。
そして礼子の方を見る。
礼子は恐怖で声もせない。ただ、元から震えている。
私は礼子に向き直った。
「あらためて始めましょうか」
ゆっくりと言う。
「あなたの獄を」
私は黒の差しした名刺入れから、1枚の名刺を取った。
そして礼子のに差しす。
名刺には、黒い文字でこう記されていた。
竜崎組直系島組 3代目組島美咲
礼子がその文字を見た瞬、顔から完全に血の気が引いた。
「そ、そんな……」
震える声が漏れる。
取り巻きの母親たちが鳴をげ、ずさった。先ほどまで礼子の横で笑っていた彼女たちは、蜘蛛の子を散らすように距を取った。
周囲の保護者たちも、斉に私かられ始めた。
私は静かに続けた。
「さん。ご主の会社のこと、ごじですか?」
礼子は声もせない。
ただ震えている。
私は淡々と告げた。
「3、建設は倒産寸でした。経営危に陥り、からの融資も断られた」
庭に、私の声だけが響く。
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「その、5億円の融資を受けましたね」
礼子の顔がさらに青ざめた。
「その資をしたのは、私の組織です」
周囲がざわめき始めた。
「つまり、あなたのご主は、私の傘企業の社ということです」
礼子の膝が震えている。
っているのがやっとの状態だった。
私はさらに続けた。
「それだけではありません。建設が受注している公共事の8割は、私の組織が裏で調したものです」
礼子の目が恐怖で見かれる。
「政治への根回し、役への接待、競社への圧力。すべて、私の組織がいた結果です」
私は歩、礼子にづいた。
「あなたが今の活を送れているのは、誰のおかげだといますか?」
そして、たく言い放つ。
「すべて、私のおかげです」
周囲の保護者たちが息を呑んでいる。
私は黒に線を向けた。
「黒、建設の社に話してくれ。今すぐここに来るように」
黒はすぐに携帯話を取りした。
「承しました」
コール音が、静寂のに響く。
そして話がつながった。
「もしもし、社ですか。黒です」
黒のい声が庭に落ちた。
「今すぐ、お嬢さんの学に来ていただきます。ええ、姉さんがお呼びです。至急、お願いします」
話を切る。
礼子の顔が恐怖で歪んだ。
「あ、あなた……主を……」
震える声で言う。
私は静かに答えた。
「ええ、呼びました。ご主には、きちんと説していただきたいことがありますので」
礼子は、そのに座り込みそうになった。
取り巻きたちはもう、誰も礼子のくにいない。
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