"青いハンカチの花嫁" 第9話
「浩司さんの直は正しかった。健君、あなたは由美さんとの結婚式の準備をめる裏で、別の女性と同棲していましたね」
渡辺弁護士の言葉が落ちた瞬、親族席から斉に非難の声ががった。
「信じられない」
「結婚から別の女がいたなんて」
「完全に詐欺じゃないか」
会全体が健に対するりで満ちていく。
健の顔から、今度こそ完全に血の気が引いた。
嘘の恩というだけでなく、別の女性との関係まで隠していたのだ。
夫と慶子も、息子の裏の顔まではらなかったのだろう。
「健、本当なの? あんた、なんてことを……」
慶子が鳴のような声をげるが、健はただ唇を震わせるだけだった。
「誤解だ。彼女とはただの遊びで、すぐに別れるつもりだったんだ」
そのくだらない言い訳に、由美はさらにたい差しを向けた。
「相の女性は、あなたが借まみれだとはらなかったようです。弓というづるを捕まえたからし待ってくれ。あなたがそう言って彼女をなだめていたメッセージのやり取りも、すでにこちらで確保しています」
渡辺弁護士は酷なまでに事実を突きつけた。
「しかも、あなたが彼女に買い与えていたブランド品やマンションの賃。その資は、由美さんから結婚式のとして預かった座から引きされていました。
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これは派な横領です」
由美はでを覆い、信じられないという顔で健を見ろした。
「私の切な貯を、そんなことに使っていたの……?」
その声は、りよりも、あまりの浅ましさに対するい軽蔑でたく響いた。
俺は静かに子の輪を回した。
に座り込む健のに止まり、彼をまっすぐ見ろす。
「おは、自分の嘘が永にばれないとっていたのか」
健は俯いたまま何も答えられない。
「俺が10もを閉ざしていたのは、ただ純粋に由美さんの幸せを願っていたからだ。彼女が笑顔できていけるなら、俺のがのままでも構わないとっていた」
しかしその沈黙のに、健は由美のも、おも、尊厳も、すべてを踏みにじっていた。
「浩司……お、最初から俺をはめるつもりで……」
健がみがましい目で俺を睨みつけた。
俺は首を横に振った。
「おが自滅しただけだ」
そして俺は、静かに続けた。
「だが、これで終わりだとわないでくれ」
健の目が恐怖にきく見かれた。
俺が用していた本当の反撃は、これだけではなかった。
10、俺が病院のベッドで目を覚ました、健は親友として番に見いに来てくれた。
俺はずっと、彼が優しさから来てくれたのだと信じていた。
しかし、彼が俺の病にやってきた本当の目は、慰めるためでも励ますためでもなかった。
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彼には、どうしても隠蔽しなければならない事実があったのだ。
「健。おが10、俺の病からこっそり持ちったもの。今、勢のでそれを返してもらおうか」
俺の静かな言葉を聞いた瞬、健の顔が無惨に歪んだ。
「健、おが俺の病から盗んだのは、由美さんが俺に宛てていた最初のだ」
俺のからた言葉に、由美がはっと息を呑んだ。
10の事故の直、俺は識の体で集治療に運ばれた。もちろん、誰の面会も許されない状態だった。
その、由美は両親と緒に病院へ駆けつけてくれていた。けれど面会できないとらされ、せめてものいで通のをナースステーションに預けていた。
自分のせいで本当に申し訳ないという謝罪と謝。
今の治療費や慰謝料をすべて負担したいという申し。
そして、彼女の実の所と正社の会社名。
俺が般病棟に移り、ようやく識を取り戻したのことだ。
番に見いに来た健は、俺がまだ朦朧としているのをいいことに、枕元に置かれていたそのを勝にき、を読んだ。
にかれていた正さんの会社名を見た瞬、健のので悪魔のような計画がひらめいたのだろう。
企業の社令嬢。
健はそのを自分のポケットに隠し、ナースステーションには「族のものです」
と嘘をついて持ちった。