"木の墓の少女" 第3話
特殊な具を使い、皮と側の質層を慎に取り除いていく。
作業はゆっくりめられた。
投器のいの、の夕暮れがを包み、やがて夜が落ちた。作業員たちは何度もを止め、写真を撮り、記録を取り、取り除いた片を番号付きの袋に入れた。
午11。
作業始から約10、ようやく幹の内部を見るのに分な部ができた。
そして、そこにあったものは、現の全員の予を超えていた。
の内部には、直径約60cmほどの空洞があった。
そのに、ほぼ完全なの骨格が収まっていた。
蓋骨、背骨、肋骨、骨盤、肢。
骨格は、古びたの残骸に部分に覆われていた。で説するなら、それはかつて青い作業用ジャケットだったものに見えた。
さらに驚くべきことは、材が骨の周りで成していたことだった。
輪が骨格を包み込み、骨の輪郭をなぞるようにして、きたの内部にの形を残していた。
それは、自然が作った棺のようだった。
に記者たちは、そのを「の墓」と呼ぶことになる。
野博士はいキャリアので、さまざまな状態の遺体を見てきた。けれど、このような形でのに取り込まれた骨格を見るのは初めてだった。
遺骨の取りしには、さらに2をした。
骨は1つずつ記録され、慎に取りされ、専用の容器に入れられた。
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材、布、根の周囲のも採取された。
すべては詳細な分析のため、岐阜県警の鑑識研究所に送られた。
同に、捜査が始まった。
この物は誰なのか。
なぜのにいたのか。
そして、これは事故なのか、殺なのか。
最初の鑑定結果がたのは、20211026だった。
類学分析によって、骨格は10代半から20代半ばの女性のものと見られた。は約158cm。アジア系の女性だった。
骨には、確な暴力傷の痕跡は見つからなかった。
蓋骨にきな損傷はなく、武器による切り傷や刺し傷も確認されなかった。けれど、部組織は完全に分解していたため、因を特定することはできなかった。
代の推定はさらに慎にわれた。
骨の放射性炭素代測定は広い範囲を示したが、より効だったのはの輪代学の分析だった。
名古学の輪研究の専が材サンプルを調べた結果、遺体がの根元に置かれたのは約20から22、つまり1999から2001頃であると結論づけられた。
その20、は成を続けていた。
幹は徐々に遺体の周囲を囲み、み込み、内部に空洞を作っていった。ので隠されたものを、自然がさらにく隠していたのだった。
元確認も並してめられた。
腿骨からDNAが抽され、全国の方者データベースと照された。
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結果が届いたのは、2021113だった。
DNAは、ある女性の両親から採取されていたサンプルと致した。
遺骨は、20013に方となった22歳の女性、織のものだった。
その名が確認された、岐阜県警の記録保管庫から、古い失踪事件のファイルが引きされた。
織失踪事件。
ファイルはく、約50ページしかなかった。本で毎何千件も発する成の自発失踪の1つとして処理されかけていた、典型な方事件の資料だった。
織は1978627、岐阜県のにあるさな朝でまれた。1っ子で、両親は農だった。さな田と、いくつかの温を持ち、質素ながらも堅実に暮らしていた。
織は元の学を卒業した、学へはまなかった。1990代半の農部の若者には、珍しい選択ではなかった。
卒業、彼女は元の農や温経営の伝いをしながら働いた。
20歳の、織は倍俊夫の農で働き始めた。
20に彼女の遺骨が発見された、まさにその農である。
農は野菜と椎茸の栽培をにしており、温、数の鶏、簡単な作業を備えていた。所者の倍俊夫は当60歳。妻をくした未で、32歳の息子、倍健と暮らしていた。
織はその農で2半働いた。
2001当の証言によれば、彼女は母からしれたさな部にみ込み、料と事を受け取っていた。
仕事は厳しかった。温の世話、収穫、鶏の餌やり、具の片付け。
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