みかん小説
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"山寺に消えた妻" 第5話

良子はずさった。

「健斗、しっかりしなさい。母親に向かって、何てことを言うの」

エリカが横からすがりついてきた。

「健斗さん、とにかくさんとはもう婚したんです。私たちはビジネスでもつながっている仲でしょう」

健斗はエリカのを振り払った。

「ビジネス? 朝建設の請けまでマスコミにばらしてやろうか」

エリカの顔が真っ青になった。

「そんな……それはひどすぎます」

「今すぐ失せろ。2度と俺のに現れるな」

エリカは泣きながらリビングをした。

健斗は良子に向き直り、たく宣言した。

「今をもって、母さんのすべての法カードと資を凍結する」

良子は叫んだ。

「何ですって。あんたがこの母親に?」

「会権限でやることだ。誰にも止められない」

良子は首のろを押さえ、倒れるふりをしてソファに沈んだ。

「ああ、にそうだわ。子どもが親を……」

健斗は背を向けた。

「演技はやめろ。もう通用しない」

そのままリビングをると、健斗は再び寺へ向かった。

夜11、静かな本堂で、は膝をついて祈りを捧げていた。健斗は本堂のろに入り、静かに膝をついた。

30分、祈りを終えたが振り返り、健斗の姿を見つけた。

健斗はに額をつけ、泣きながら叫んだ。

「俺はぬような罪を犯した。頼む。1度だけ許してくれ」

は驚く様子もなく、健斗のそばへ歩み寄った。

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彼の肩にそっとを置き、慈い声で言った。

「会の過ちだけではありません。苦しみも執着ですから、もうろしてください」

7ぶりに触れたは、温かかった。

健斗はそのにすがるように泣いた。

は彼の背を静かにさすった。

「もういいんです。すべて、過ぎたことです」

は健斗をさな部へ連れていき、温かいお茶を入れた。

「私はここで平穏に暮らしています。これ以、申し訳なくわず、会きてください」

健斗は湯みを握りしめた。

「本当に、俺を許せるのか」

は穏やかに微笑んだ。

「最初から、許すも許さないもありませんでしたよ」

翌朝8、平穏だった寺に嵐が吹き荒れた。

インターネットのゴシップサイトには、刺激な見しの記事が並んでいた。

成グループ会奥の尼僧と適切な関係。

財閥会をたぶらかした妖艶な尼僧の正体。

すべて、良子がをばらまいて広めさせた悪ある記事だった。

成グループ本社には株主たちが集まり、プラカードを掲げて叫んだ。

「健斗会は辞任しろ」

「俺たちのを返せ」

株価は連落し、会社は窮に陥った。

さらにきな問題は、記者やYouTuberたちが寺へ押し寄せたことだった。

1の記者がにカメラを突きつけた。

「会とはどういう関係ですか」

別のYouTuberが携帯話を差しして割り込んだ。

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をもらって会を誘惑したんだろう。ひと言しゃべれよ」

げ、本堂へ避難しようとした。

だが記者たちは追いかけた。

「逃げるな。国民にはる権利があるんだ」

職がて、記者たちを止めた。

「ここは修です。今すぐていきなさい」

しかし、記者の1かましく答えた。

「公益のための取材です。邪魔しないでください」

寺の庭が完全に騒ぎのになると、職は困った顔でを見た。

「妙様、このような状況が続けば、の僧侶たちの修に支障がます」

は両わせてげた。

「申し訳ありません、ご職。私が別の所を探します」

職は申し訳なさそうに言った。

「数だけをください。静かな所を探してあげますから」

は恐怖に震えながら本堂の鍵をかけ、からられなくなった。

方、会社では良子に買収された理事たちが会を取り囲んでいた。

「会、今られては困ります。記者たちが待っています」

健斗は理事を突きばした。

「どけ。を守りにかなければいけないんだ」

別の理事がドアを塞いだ。

「会社のイメージがさらに悪化します。数だけしてください」

健斗は机を叩いた。

「俺が会だ。よくも私を閉じ込めようとするな」

だが理事たちは目配せをし、会のドアを片側からロックした。

健斗は携帯話で佐藤に連絡しようとしたが、つながらない。良子が事を回し、佐藤の入りを阻止していた。

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