"山寺に消えた妻" 第4話
「会、お体の具がまだ……」
「休んでいるはない。く探せ」
1、古びた軒のにが止まった。
50代の女性が扉をけ、健斗を見て驚いた。
「あら、会様。どういったご用件で」
健斗は現の入った鞄を差しした。
「田さん、7のあののことを正確に話してください。真実だけを話してくれれば、このはすべて差しげます」
田は鞄のを見て震えた。
「会、私はただ、言われた通りにしただけなんです」
健斗は田のをく握った。
「お願いします。あの、母が何と言ったのか、そのまま話してください」
田はうつむき、涙をこらえながらをいた。
「良子様は、奥様に向かって、てかなければ会の目ので農薬をむと脅しました」
健斗の顔から血の気が引いた。
「農薬……」
田は泣きながら続けた。
「奥様が荷物をまとめててかれる、良子様が私に『塩を撒け』と命じられました。私は申し訳なくて、奥様の顔を直できませんでした」
健斗は拳を握りしめた。
「塩まで撒けと言ったのか」
田はうなずいた。
「奥様は、何も言いませんでした。ただ、とてもしそうな顔をされていました」
健斗は現の鞄を田に押しつけ、よろめくようにへた。
に乗るなり、佐藤に言った。
「寺へけ。今すぐ」
「会、ご無理をなさってはいけません」
健斗は運転席の背を蹴った。
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「くけと言っているんだ」
はを急いだ。
寺に着くと、健斗はからり、の姿を探した。庭の片隅で、は洗濯物を干していた。たいで布をすすぎ、の甲は赤切れ、ところどころ血がにじんでいる。
健斗はのに隠れたまま、を押さえた。
「俺が……俺が、あんな苦労をさせていたんだ」
が膝をついて雑巾がけをする姿を見た、健斗はに寄りかかり、そのまま座り込んだ。
7、自分が享受してきた富も名誉も、すべての犠牲のに成りっていた。
が顔をげ、周囲を見渡す。
健斗は慌ててを隠した。
まだ、彼女のにる資格がない。
へ戻ると、健斗は携帯話を取りし、エリカに話をかけた。
「エリカか。私だ」
エリカのるい声が返ってきた。
「健斗さん、結婚式の取りを決める連絡を待っていました」
健斗はたく言った。
「結婚はなかったことにしてくれ」
「どういうことですか。急に何でですか」
「君も7の事件の共犯だということはっている。これ以、演技をするな」
話を切ると、健斗は佐藤へ指示した。
「秘、法務チームを全員招集しろ。母さんが管理していた裏と借名座の内訳を、すべて持ってこい」
佐藤は息をのんだ。
「良子様を調査なさるおつもりですか」
健斗は歯をいしばった。
「ああ。これから母さんと戦争だ」
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その夜、健斗は実のリビングに入った。
良子はソファでテレビを見ており、その横にはエリカが座って化粧を直していた。健斗の姿を見ると、良子が満げに眉をげた。
「健斗、どこへっていたの。エリカさんが待っていたのに」
健斗は類鞄をテーブルに置いた。
「2とも、座っていろ」
異様な空気をじた良子が、を乗りした。
「何の話?」
健斗は鞄から類の束を取りし、良子のに投げた。
「7、母さんが作った偽の証拠だ」
良子の顔が瞬こわばった。
健斗は別の類を取りした。
「の陳述。それから、母さんが隠してきた裏の内訳もある」
エリカが類を見て慌てた。
「健斗さん、これは何ですか」
健斗はエリカをにらみつけた。
「君もよくっているだろう。7、を追いすのに加担したじゃないか」
良子が類を拾いげ、声を荒げた。
「健斗、何の真似よ。母親を調査したっていうの」
健斗は良子をたく見つめた。
「母親? 母親が息子の庭をこんなふうに壊すのか」
良子はき直るように言った。
「全部、あんたのためだったのよ。あの女と暮らしていたら、どうなっていたとうの」
健斗は拳を握りしめた。
「私のため? 母さんの欲のためだろう」
良子は胸を叩いた。
「どこの誰ともれない男の言葉だけ信じて、母親を疑うなんて。私がいつ違ったことをしたっていうのよ」
健斗はちがり、良子のにった。
「母さんは、私の母親じゃない。私のを台無しにした悪魔だ」
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