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"泥棒猫と呼ばれた令嬢の即日破談" 第11話

その、損害賠償額はさらにねがり、加えて法廷でのやり取りが公のものとなりますが、よろしいですね? 智也さんのお勤め先にも、どのような形であれ噂が届くことになるかとじますが」

「そ、それだけは……! 会社にだけはられたら……!」

智也が鳴をげた。 ただでさえ、社内では「塚グループの令嬢と婚約破棄になったらしい」「母親がやらかして億単位の商談を潰したらしい」という穏な噂が広がり始めていたのだ。これ以裁判汰にでもなれば、依願退職に追い込まれるのは目に見えていた。

「支払期は来週曜の正午です。分割の協議には切応じかねます。以です」

佐伯はちがり、瞥もくれることなく会議の扉へと向かった。 残された親子は、の効いた部ので、ただただ絶望の淵に沈んでいくしかなかった。

数ヶ。

季節は巡り、京のには柔らかな初のが吹き抜けていた。 座の央通りにある塚グループのフラッグシップビルでは、世界各国のVIPやメディアを招いた規模なレセプションパーティーが華やかに催されていた。 きらめくシャンデリアの、最級のシャンパンがグラスに注がれ、洗練された音楽がフロアを満たしている。

その会の央で、ひときわ眩い輝きを放っている女性がいた。

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いネイビーのイブニングドレスにを包んだ芹だった。 無駄な装飾を排し、仕ての美しさだけでその完璧なプロポーションを引きてるドレス。首元には、粒の完璧なカッティングを施されたサファイアが静かにを湛えている。彼女の周囲には、名だたる財界やメゾンのCEOたちが自然と集まり、芹の流暢なフランス語と英語による事業説ににを傾けていた。

「セリカ、今回のラインのちげ、実に見事な腕だったよ。君のリーダーシップにはいつも驚かされる」

世界なラグジュアリーブランド本社の役が、からの賛辞を贈りながらグラスを掲げた。

「ありがとうございます。現の職たちと舗スタッフの尽力があってこその成果です。私たちはただ、本物の価値を正しく届けるための架けに過ぎませんから」

芹は穏やかで、しかし確固たる自信に満ちた微笑みを返した。 そのち姿には、いかなる迷いも、誰かに依しようとするさもしなかった。自らのでち、自らので未来を掴み取っている者だけが持つ、本物の気品と輝きがそこにあった。

ふと、レセプションホールの巨なガラス窓のへ線を向ける。 く見ろす座の交差点をき交う無数の々。 その雑踏のどこかに、かつて自分を見し、支配しようとした者たちがいるのかもしれない。

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の噂で、智也のそのを聞いていた。 式のキャンセル料と指輪の残を支払うため、消費者融や親族からの借をね、毎の返済に追われる々を送っているという。社内での信用も完全に失墜し、世かられた閑職へと追いやられたそうだ。 雅代もまた、していた虚栄の世界から完全に追放された。所の主婦仲には「息子の結婚が破談になったのは母親のせい」という事実が筒抜けになり、あれほど誇らしげに通っていた級ブティックには度とを踏み入れることができず、を縮めるようにして暮らしているという。

だが、そんな彼らの末すら、今の芹にとってはい世界の来事だった。 復讐のために何かを企んだわけではない。 ただ、理を通し、自分の尊厳を守り、誠実な者たちを自らのから綺麗さっぱり切り捨てただけだ。彼らが勝に自滅し、己の撒いた悪の種を刈り取ったに過ぎない。

「本部、もなく代表からのご挨拶となります」

背から、秘が静かに声をかけてきた。

「ええ、今きます」

芹はにしていたシャンパングラスをウェイターのトレイに預けると、すっと背筋を伸ばした。 スポットライトが、ステージへと向かう彼女の元をるく照らしす。 その歩みはどこまでも力く、優雅で、だけを見据えていた。

自分のの主役は、の誰でもない自分自なのだという揺るぎない誇りを胸に、芹はり輝く未来のステージへと、堂々とを踏みしていった。

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