"不妊扱いされたサレ妻と、91歳の秘密" 第13話
として突きばしい、を踏みつけいながら、先にと玄関から転がりていった。 かつてを語りい、子供を作ろうと誓いったの、あまりにも無様でれな逃劇。 バタンと閉まった玄関ドアを見届けた、リビングには澄み切った静けさが戻ってきた。 おばあちゃんは杖をろし、いつもの穏やかな笑顔に戻ると、私に向かってさくを挙げた。
「けい子さん、よく頑張ったね」
「おばあちゃん……!」
パチン、とらかに響いたハイタッチの音。 私たちの胸には、完全なる勝利の確信と、清々しい希望が満ち溢れていた。
その、事態は驚くべきスピードで決着へと向かっていった。 まず判したばしい事実として、妹のさやかは、実は妊娠などしていなかった。 妊治療で使用していたホルモン注射の残留成分と、規定よりも遥かにいフライング検査がなったことによる、単なる偽陽性反応だったのだ。 しかし、妊娠が狂言だったからといって、彼女が犯した罪が消えるわけではなかった。
当たり次第に男たちと貞をねていた事実はであり、さやかは本物の旦さんから完璧な証拠と共に訴えられ、あえなく婚が成。 さらには、実の姉の配偶者にをしたという代未聞の祥事が親戚にれ渡り、私の両親をはじめとする親族全員から完全な絶縁を言い渡された。
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当然、その悪評はさやかの職にもれ渡ることとなり、「常識という概がしない危険物」として居所を失った彼女は、逃げるように自己都退職へと追い込まれた。 見栄のために費やしたブランド品のローン、元夫と私への額の慰謝料請求により、さやかの貯は底をつくどころか数千万円の借獄へと転落したのだった。
そして、元夫の信弘の末もまた、惨を極めていた。 私と、さやかの元夫の双方から額の慰謝料を請求され、貯をすべて吐きした信弘は、極貧の活へと転落した。 さらに最悪だったのは、彼の職でのだった。 浮気に浮かれていた頃、社内で「今の妻と別れて、歳のいモデル級の嫁をもらうことになった」と散々自して回っていた信弘。 騒の、向に再婚の報告をしてこない信弘を審にった同僚たちから問い詰められ、彼はすべての真相を状せざるを得なくなったのだ。 妻の実の妹と倫した挙句、相の齢も素性もらずに騙されていたというあまりの浅はかさと劣さに、社内から総スカンをらった。 「あんなモラル破綻者と緒に働くのは理に無理だ」と複数の部署から苦が殺到し、信弘は方の奥にあるさな張所へと遷された。 も貯も信用も失った彼は、狭いボロアパートで、々の事にも事欠く侘しい活を送っているという。
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そして現。 職もも居も失ったさやかは、唯所の分かっている関係者である信弘の元へと執着し、ストーカーのように付きまとっているらしい。 毎、仕事帰りの信弘を張所ので待ち伏せし、アパートのまでついてっては「部に入れろ」「を寄越せ」と夜までドアを叩いて騒ぎてているそうだ。 かつて信弘から『あんな女に付きまとわれて気が狂いそうだ、助けてくれ』と泣き言のメッセージが届いたことがあったが、私は瞥しただけで即座に削除し、着信拒否に設定した。 妻と祖母を蹴にしてまで甘い蜜を吸おうとした相なのだから、気が狂おうと何だろうと、で獄の果てまで付きい続けるのがお似いだ。自業自得というない。
方、私とおばあちゃんはといえば。 郊の緑豊かなにあるおばあちゃんの別荘に移りみ、穏やかで満ちりたスローライフを満喫している。 おばあちゃんの農業法はますます順調で、最ではしい農を買いし、雇う員をさらに増やす計画がんでいる。 私はといえば、これまでの事務経験を活かして、農園の経理やオンライン販売の運営、顧客管理といった裏方の仕事を正式に任されるようになった。 おばあちゃんからは毎、般企業の正社員以の分な料が支払われており、卓には畑で採れたばかりの鮮で美しい無農薬野菜が常に並ぶため、費もほとんどかからず、私の個座の貯は順調に増え続けている。
「けい子さん、お茶が入ったよ」
縁側から、おばあちゃんの優しい声が響く。 広な畑を見渡せる縁側に腰をろし、私はおばあちゃんが淹れてくれた温かい緑茶を受け取った。 おばあちゃんは私の顔を慈しむように見つめ、目尻を細めて微笑む。
「養子縁組をしたのはね、万がのに私の財産を全部けい子さんに残すためだからね。もしこれから先、素敵なが見つかったら、私のことなんて気にせず、慮なく緒におなりよ」
その温かい言葉に、私は胸がいっぱいになり、首を横に振って微笑み返した。
「おばあちゃん、今は再婚なんて全く考えていませんよ。何より、私を実の孫以にがってくれて、から尊敬できるおばあちゃんと緒に暮らす今の活が、世界で番幸せなんですもの」
もし、私のこれからので、再び誰かと共に歩む未来が訪れるとすれば。 それは、私の切なおばあちゃんを、自分の実の祖母と同じように切にし、敬ってくれるだけだ。 そんな誠実なが現れるまでは——いや、現れてからも。 私はこの豊かなで、好きなおばあちゃんと共に、穏やかで温かな々を歩歩、切に歩んでいきたいとう。 青空の、どこまでも広がる実りの畑を、爽やかなが優しく吹き抜けていった。