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"元義母の仕送り要求と元夫の嘘泣き目薬" 第11話

自宅マンションも競売にかけられ、親子揃って夜に荷物をまとめて、どこかへ隠れしてしまったそうです」

君の言葉を聞いても、私のにはさざ波ひとつたなかった。

れみも、りも、復讐すらも湧いてこない。自らの果てしない欲望と、見栄と、者への甘えの果てに招いた、あまりにも当然すぎる自業自得の結末。

「そう……教えてくれてありがとう、君」

彼らが今、どこので、どのような惨めな逃活を送っていようと、もう私のにはミリの関係もないのだ。

過のい鎖を完全に断ち切った私は、自らの未来へ向けて、たな歩を踏みすことを決していた。

員として数、法営業の第線で培ってきた融の識と実践な経験。そして――元夫や元義母との銭トラブルを通じてをもって学んだ、「おの怖さと、経済に自することの尊さ」。

そのすべてを、今度は誰かの希望のために役てることはできないだろうか。

私は役員会に向けて本の規事業企画を提した。それは、が主催する「働く女性のための実践資産形成・自支援セミナー」の催計画だった。

特に、将来に漠然としたを抱えながらも、おの識がないために理尽な環境から抜けせずにいる同世代の女性たちに向けて、分かりやすく、かつ実践な融リテラシーを届けたい。

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そのを込めた私の企画は、取をはじめとする経営陣から満致で承認されたのである。

そして迎えた、セミナー当。

本の会議は、事予約で満席となった幅広い代の女性たちで埋め尽くされていた。壇にった私の胸元には、課のバッジが誇らしげにっていた。

私はプロジェクターの画面を背に、マイクを握りしめ、集まった参加者たちの真剣な瞳をまっすぐに見つめた。

「皆さん、おというものは、決して誰かに依するための具ではありません。おとは、自らの尊厳を守り、自分ので未来を切り拓くための『翼』なのです」

私は自らの言葉で、資産形成の基本、リスク管理の性、そして自したを歩むことの素らしさを、を込めて語りかけた。会からは折、いうなずきとにペンをらせる音が響いていた。

質疑応答を無事に終え、セミナーが盛況のうちに幕を閉じたのことだった。

壇で配布資料の片付けをしていた私の元へ、代半ばとおぼしきの若い女性が、し緊張した面持ちで歩み寄ってきた。

「あの……ゆかり課、本は本当にありがとうございました」

「いえ、とんでもございません。ご参加いただき、ありがとうございました」

私が笑顔で礼すると、彼女はにしたノートをぎゅっと胸元に抱きしめ、潤んだ瞳で言葉を紡いだ。

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「私……今まで、おのことなんて難しくてよく分からないって、ずっと目を背けてきてきたんです。夫の顔ばかりを窺って、自分のなのに、どこか諦めていて……。でも、今のお話を聞いて、将来に対する漠然とした恐怖が、すっと消えていくような気がしました」

彼女のまっすぐな瞳が、かつて暗ので震えていた過の私の姿となった。

女性はくをげた、満面のるい笑顔を咲かせて、こう言ってくれたのだ。

「ゆかりさんのおかげで、私も……自分の力で、自分のを頑張ってみようってえました。本当に、本当にありがとうございました!」

その温かい謝の言葉を受け取った瞬、私の胸の奥底に、いものがこみげてきた。

憲吾から「おとのは全くの無駄だった」と罵倒された、あの屈辱の々。

かず子さんから都の良いATMのように扱われ、尊厳を踏みにじられた苦しみ。

それらの過酷な経験があったからこそ――今、私は誰よりもくの痛みに寄り添い、そのを希望のへと変える助けができているのだ。

(ああ……私の歩んできたは、何ひとつ無駄じゃなかった)

誰かの役にっているという確かな応えとびが、全を満たしていくのをじていた。

会をにした私は、夕暮れの柔らかな茜のが差し込むへとを踏みした。

澄んだのが、私の頬を優しく撫でていく。

私のは、あの男たちの浅ましい言葉に縛られるようなものでは決してない。

これから先、自らのこの両で、もっとくの々の未来を照らすために、誇りく歩み続けていこう。

私は鞄をしっかりと握り直し、あふれるへ向かって、凛とした取りでを向いて歩きしたのである。

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