"3回洗う夫と6年潜伏の財閥令嬢" 第25話
その瞬。
健はガクッと膝から崩れ落ち、法廷のにいつくばって泣き叫び始めた。
「ち、違う!俺は悪くない!俺はエリートなんだ!」
彼は必に訴える。
「全部、全部母さんが俺をそそのかしたんだ!俺のを返せぇぇ!」
「ふざけるんじゃないわよ!この能無し!」
静は彼にってかかる。
「あんたが勝に私の幹部たちを殺して回ったからこんなことになったんでしょうが!私の財産を返してよ!」
神聖な法廷ので、親子は醜く顔を歪めた。
互いに責任をなすりつけって罵声を浴びせう。
かつてい者から命とおを奪い、優越に浸っていたたちの、これが本当の姿だった。
自分の非を絶対に認めず、内ですら平気で裏切る。
彼らはこうして誰からも見放され、誰からも同されることなく、れな見せ物としてたい檻のへ消えていった。
私はその惨めな背を最まで見送った。
く苦しかった私の6に、本当ので完全なピリオドを打ったのだ。
法廷のい扉を抜けてへると、の温かいが私の頬を優しく撫でた。
「お嬢様。きにわたる戦い、本当にお疲れ様でした。を回してあります」
傍らに控えていた田が、い敬を込めて静かにをげる。
「ありがとう。ねえ、これからしだけ寄りをしてもいいかしら?」
私がそう言うと、田は全てを見透かしているように優しく、そして誇らしげに微笑んで頷いた。
広告
「承いたしました。ゆかり様も現ですでにお待ちです」
向かったのは、が見渡せる、当たりの良い美しい丘のにある霊園だった。
そこには鳥グループの力でしく建て直された、リナの派なお墓がある。
私たちが到着すると、黒いスーツ姿のゆかりがすでにたくさんのおを向け、静かにをわせていた。
「ゆかり、待たせちゃってごめんなさい」
私が声をかけると、ゆかりは振り返り、ホッとしたような笑顔を向けた。
「ううん。私も今来たところよ。裁判終わったのね、美咲」
「ええ」
私は静かに頷いた。
「2とも無期懲役。被害者の方々への賠償も全て完したわ。あいつらはもう度と、のを見ることはない」
私がそう報告すると、ゆかりはく息を吐きした。
「そう。リナさんも、これでやっとできるわね」
ゆかりは目尻に涙を浮かべて微笑んだ。
私は墓にみた。
リナが番好きだった輪の黄いひまわりの束を、そっと供えた。
「リナ。遅くなってごめんね。約束通り、全部終わらせてきたよ」
たい墓に優しく触れる。
あのアパートで『美咲!』と屈託なく笑う、リナの太陽のように温かい声がの奥に蘇ってくるようだった。
「私ね、リナが記にいてくれた通り、もう逃げるのをやめたの」
私は静かに国の親友へ語りかけた。
広告
「今は父の会社に戻って、副社として働いてるんだよ。驚いたでしょう?」
私は微笑む。
「私は今、鳥グループの莫な資とネットワークを活用し、リナのように寄りがなく、社会の片隅で孤独に戦っている女性たちを支援するための『リナ財団』をちげている」
私は決を込めて言う。
「DVや詐欺の被害に遭い、誰にも助けを求められない女性たちに全な居と仕事を提供し、自を支援するプロジェクトだ」
私は隣のゆかりを見た。
「ゆかりも法医学者としてのから、被害者ののケアをサポートしてくれている」
私は再び墓に向き直った。
「健や静みたいな悪を持つから、もう誰も傷つけさせない」
私は静かに目を閉じる。
「リナが私に教えてくれたの温かさと、それを守るための本当のさを、これからはたくさんのを救うために使っていくからね」
ので、親友にく誓う。
私が6暗ので耐え抜いていたものは、ただの復讐の達成だけではない。
リナというかけがえのない親友からもらった、をし、を守り抜くという確かな使命へだった。
すると、の方からふわりとよいが吹き抜けた。
供えられたひまわりの黄いびらが、まるで嬉しそうにサワサワと揺れた。
まるでリナが空のから、『美咲、よく頑張ったね。
ありがとう』と優しく私のを撫でてくれたような気がした。
「ふふ、ありがとう。また必ずいい報告を持ってくるからね」
目をけ、私はきく呼吸をした。
見げた空はどこまでもく、澄み切った真っ青なに染まっている。
「美咲、そろそろこっか。午から財団の設記パーティーでしょう?副社が遅刻したら、お父様にられちゃうわよ」
ゆかりがるい声で私の背をポンと叩く。
「そうですね。お嬢様」
田も頼もしく微笑んだ。
「これからの鳥グループと財団は、あなたが力く引っ張っていくのですから。皆様があなたを待っています」
田はのドアをけてくれた。
「ええ、分かってる。さあ、きましょう」
私は力く頷き、ひまわりに背を向けて歩きした。
私の取りは、絶望を抱えてをた7のあのや、復讐に燃えていた6のあのとは違い、羽がえたように軽く、そして力かった。
のには、いつもリナの優しい笑顔がある。
しく残酷な過を乗り越え。
私は今、自分自のを確かな取りで、まっすぐに歩み始めているのだ。