"夜勤明けに締め出された私――15分後の「さようなら」" 第10話
夜勤けに帰る
しい部へ運んだ段ボールをけていると、い皿がてきた。
私はそれを流しの横に置き、残りの器をした。収納棚のの段にはまだ余裕がある。何かを買うたびに、誰かの嫌を見て置き所を探さなくていい。
引っ越しの翌、くの活雑貨ので、湯みを1つ買った。
青にしが混じった、のものだった。母にもらった物とは、形も触りも違う。棚ので両に包むと指が落ち着いたので、それに決めた。
「贈り物ですか」
員に聞かれ、私は首を振った。
「自分で使います」
帰って洗い、い皿の隣に並べた。捨てられた湯みをうと、今も残だった。窓辺に置いた母の写真を見ながら、最初のお茶をんだ。
カーテンはいクリームにした。昼に閉めると、部のるさが静かに落ちた。窓際にって布の隙を確かめ、これなら眠れそうだと、肩の力が抜けた。
賃ががっても、引っ越しにかかった分はすぐには埋まらない。毎の支払いをきし、積みてる額を決めた。費も気代も、これから自分で払っていく。
ただ、誰かに急に取りげられるかもしれないとわずに、自分のために予定をてられた。
翌の勤務については、相馬師から体調を聞かれた。
「引っ越しもあったし、疲れは残っていない?」
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「休みのに片づけすぎて、し筋肉痛です。でも、夜は眠れています」
師は笑い、勤務表に目を戻した。
「無理なところがたら、めに相談してね」
私は希望する休みを伝えた。今の夜勤の回数も含めて相談し、そのの予定を確かめた。働き方を話す相が、私の体調を聞いてくれる。その当たりの順序に、まだしほっとする自分がいた。
居から通う最初の夜勤は、いつもと同じ17に始まった。
申し送りを受け、記録を確認し、呼びしに応じて病へ向かう。休憩では持ってきたおにぎりをべた。け方、輩が記録のまとめ方に迷っていたので、隣に座って緒に見直した。
「ありがとうございます。桐さん」
今度はすぐに返事ができた。
7半に勤務を終え、着替えてへると、朝のが首元を通った。疲れてはいた。脚がく、空腹より先に眠気が来ている。自転の籠に鞄を入れ、の流れが途切れるのを待ってを渡った。
帰りのでパンを買った。夕方に目が覚めてからべる分も選び、袋を籠の隅に収める。今は何に夕を作るのか、誰にも連絡する必がなかった。
アパートに着き、玄関ので鍵をした。
差し込んで回すと、軽い音がした。取っを押せば、扉がいた。
私はしの、敷居のにっていた。あの朝の属のたさを、指がいしていた。
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のの鍵を握り直し、自分の靴が揃えてある玄関へ入った。
扉を閉め、内側から鍵を掛けた。
部には、昨洗ったタオルが乾いていた。パンをテーブルに置き、を洗い、制の入った袋を洗濯籠へ移した。今は先に休んで、洗濯は起きてからにする。
湯みにお茶を注いだところで、修さんから話が来た。
「おはよう。今、話せるかな。今は休み?」
「おはようございます。夜勤から帰ったところです」
「そうか。じゃあ、またにしよう。今度、で昼ご飯でもとっただけだから。起きてから、都のいいを教えてください」
「はい。起きたら連絡します」
「ゆっくり休んで」
話はそこで切れた。
私は湯みを持ったまま、しばらく座っていた。起きてからでいい。今すぐ何かを済ませて、そので眠らなくていい。
お茶をみ、シャワーを浴びた。柔らかい部着に着替えてカーテンを閉めると、のるさがくなった。枕元に携帯を置き、いつもの就寝の設定を確かめた。
布団へ入る、ふと洗濯のことが気になった。それでも起きがらず、たいシーツにを伸ばした。
鍵は玄関脇の棚にある。次にかけるも、帰ってくるも、あれを使う。
あの朝から、私は度も、あのへ帰っていない。
目を閉じると、やがて廊を歩く音も気にならなくなった。誰かに呼ばれるにと構えていた肩が緩み、私はそのまま眠りに落ちた。