"「病院に行くな」と娘を閉じ込めた婿の本当の目的" 第4話
私は、震えるで歩み寄った。
娘の体を覆っていたいベルベットの布団にをかける。
それを剥いた瞬、私はそのにへたり込んでしまった。
息ができなかった。
「ああっ……!」
鳴が漏れそうになるのを、両でを固く塞いで堪えた。
娘の半。
その布団のに広がっていた景は、き獄そのものであった。
娘の体に刻まれたその恐ろしい真実。
それは、今でも私の魂を蝕む悪となっている。
しかし、皆様にどうしても理解していただきたいことがある。
涯を教壇にち、清く正しくきてきたこの私が。
なぜ同じ根ので、自分の血を分けた子がそこまでの状態になるのを放置せざるを得なかったのか。
息もできないほど私を締め付けてきた、あの恐ろしい理虐待の。
派な婿の顔をした悪魔がいた。
と治療という完璧な名分を使い、張り巡らせた蜘蛛の巣。
私と娘がどのようにその巣に囚われていたのかを、まずお話ししなければならない。
全ては、私のキッチンから、私の主権が奪われることから始まった。
たくめたの流。
そして、正体の赤い錠剤である。
さやかが自で倒れてから、階建てのがの空気は完全に変わってしまった。
健は帰宅するや否や、玄関にの鍵をかけた。
そして、階から階までの全てのブラインドをピタリとろした。
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のに差し込んでいた筋ののさえも、完全に遮断されたのである。
彼は、医療用のアルコールと洗液を箱で買い込んできた。
それを、至る所に狂ったように撒き散らした。
のは、常にひんやりとした、を突く病院の匂いが充満するようになった。
健は、真剣な顔で私に言った。
「さやかの病気には、騒音もも命取りになります」
彼は、キッチンの匂いにまで言及した。
「さらには、普通のべ物の匂いさえも危険なんです」
夜けに起きて、娘のために汁を取り、野菜を刻んでいた私。
しかし、あるを境に、キッチンへの入りを厳しく禁じられてしまった。
毎朝、私は卓の片隅で、霊のように座っていた。
義理の息子が料理をするろ姿を、ただ黙って見守るだけであった。
彼は、私が故郷から送ってもらった艶のあるお米には目もくれなかった。
半透のプラスチック容器から、セメントのようなのを取りす。
それを、湯でかき混ぜて溶かしていた。
そのは、が通ると糊のようにドロドロになった。
穀物のばしいりなど微もない。
妙に臭く、吐き気を催すような異臭がした。
ある朝、健が顔を洗うために、卓のにその器を置いた隙のことだ。
私は、あまりにも胸騒ぎがした。
私はちがり、スプーンをに取った。
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それを、見しようとした。
私の娘が体何をべているのか、どうしてもらなければならなかったからだ。
私がスプーンを沈めようとした瞬。
「お母さん!」
健の声が、キッチンに響き渡った。
「今何をされているんですか!触らないでください!」
驚いた私は、スプーンをに落としてしまった。
彼は股でづき、私のからお粥の器をひったくった。
彼の両目が、瞬い刃のように鋭くった。
しかし、彼はすぐにいつもの優しい偽りの笑顔に戻った。
「お母さん、声をしてすみません」
彼は、静かな声で言った。
「でも、このお粥はシンガポールの教授がさやかの体質にわせて特別に処方した医療用の事なんです」
彼は、私を諭すように言った。
「普通のがべると、細胞抑制成分で変なことになります」
彼は、さらに言葉をねた。
「それに今、さやかは免疫力が底をついているんです。お母さんのについた細菌で交差染でも起こしたら、さやかの命が危険にさらされます」
彼は、無を言わせぬ態度で宣告した。
「どうか事は階で別々に取って、さやかの部にはがらないでください」
彼は、私の目を見た。
「本当にさやかをしているなら、完璧な無菌状態を保つのを伝ってください」
私は、何も言えなかった。
彼が器を事そうに抱えて、階へがっていくろ姿を茫然と見つめていた。
臓が、恐怖で縮みがった。
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