1999年、埼玉県秩父市。 女子高生・高橋桜は、センター試験の自己採点で全科目満点という驚くべき結果を出した。貧しいながらも自分を支えてくれた父のため、将来は良い仕事に就き、楽をさせてあげたい。そんな夢を胸に、桜の未来は大きく開けようとしていた。 しかし、その数日後。 予備校で最後の写真を撮られたあと、桜は忽然と姿を消す。 父親との進路のすれ違い、親しくしていた家庭教師、宣伝に利用しようとした予備校講師。疑われる人物は次々に浮かぶが、決定的な証拠は見つからない。 桜の部屋だけが、19歳のまま時間を止めていった。 そして10年後、秩父郊外の古井戸から白骨化した遺体が発見される。そばに残されていたのは、泥にまみれた受験番号の一部。 失踪ではなかった。 桜の未来を奪ったのは、誰だったのか。 10年間、父が信じ続けた帰り道の先に、あまりにも残酷な真実が待っていた――。