みかん小説
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"冷えた雑煮の逆転正月" 第13話

俺も笑った。

「分かった。全部こう」

「約束?」

「ああ」

弓が指を差しした。

50歳を過ぎた夫婦が、国の夜景をに指切りをする。

し恥ずかしくて、でもよかった。

の夜。

へ1く戻らなければ、俺はあの台所を見なかったかもしれない。

弓がどんな扱いを受けていたのか。

父のがどうなっていたのか。

母と直が何を企んでいたのか。

そして、自分がどれほど妻を孤独にしていたのか。

何もらないまま、また張へていただろう。

あのりに任せて居び込まなかったことも、今では正しかったとう。

黙って証拠を残し、準備をえたからこそ、弓を度とあの所へ戻さずに済んだ。

けれど、本当に俺たちを救ったのは法律でも、でも、シンガポールへの辞令でもない。

15

弓がさなノートへ毎事実をき続けたこと。

何度傷つけられても、父との約束を忘れなかったこと。

そして最に、

「もう怖くありません」

そう言って自分のったことだった。

「健さん」

「何?」

の朝、緒にかない?」

「いいよ」

しい魚を見つけたの。料理してみたい」

「じゃあ起きだな」

「寝坊しないでね」

「弓こそ」

「私は毎朝いです」

笑い声がなる。

昔のでは、卓から弓の笑い声だけが消えていた。

今は違う。

このには、弓の座る所がある。

温かい事がある。

好きなだけ使えるお湯がある。

そして何より、誰にも許を求めなくていいがある。

俺は隣にいる弓を見た。

国のに髪を揺らしながら、彼女はの予定を楽しそうに話している。

その横顔を見つめながらった。

失った15を取り戻すことはできない。

けれど、その先にあるをどうきるかは、俺たち自で決められる。

だからもう、過を振り返る必はない。

俺たち夫婦の本当のは、あのたい元の台所で終わったのではなく――。

そこから、ようやく始まったのだ。

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