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"冷えた雑煮の逆転正月" 第8話

「もう容赦しない」

弓はしばらく黙っていた。

やがてスーツケースをいた。

「健さん」

何冊もの古い学ノートを取りした。

「これ、使えるかな」

が擦り切れたノート。

全部で何冊もある。

「何?」

「私、15ずっと記をいてたの」

く。

細かな文字。

付。

母に言われた言葉。

直へ渡された額。

弓自事を抜かれた

タクシーで母がかけた

買い物のレシート。

破られた類の切れ端まで貼られている。

〈115 お義母さん、直さんへ5万円渡す。私の夕なし〉

〈1210 タクシーで隣町へ。帰宅しい指輪〉

単なる記ではなかった。

15の記録だった。

「どうして……」

「お義父さんとの約束を守りたかったから」

弓はノートを見つめた。

「泣いてるだけじゃ駄目だとった。いつか健さんが気づいてくれた、ちゃんと説できるように」

俺は胸が痛んだ。

弓はずっと待っていた。

俺が気づくを。

「弁護士に持っていこう」

翌朝、事務所で弁護士はノートを読んだ。

「これはいですね」

鏡をし、息をつく。

だけではなく、付と額が客観に記録されている」

履歴と照する。

母がを引きした

弓の記。

致する。

「お母様が主張する暴力についても、逆にの精神虐待を示す材料になります」

その、俺へ事部から話が来た。

『佐藤君。

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の件だが、本社ロビーの防犯カメラを確認した』

俺は息を止める。

『君のお母様が、のいないところで自分から転倒して額を打つ映像が残っていた』

弓が目を見く。

『警察にも相談した。奥さんからの暴力という主張は事実ではないと判断している。会社として赴任続きは予定通りめる』

話を切ると、弓の目から涙が落ちた。

最初の危った。

だが弁護士の顔は険しかった。

「健さん。もうつ、きなことが分かりました」

「田浩司の件ですか?」

「はい」

弁護士はしい資料を広げた。

「田浩司と直さんは、代の同級です」

俺も弓も黙った。

「そして直さんには、数から違法賭博による額の借があります」

話がつながり始める。

「直さんは、自分の借を処理するため田へ母親を紹介した能性が極めてい」

母は詐欺に遭った。

だが、その入を作ったのは実の息子だった。

弁護士は続ける。

「さらに、お母様がしく雇ったという弁護士についても自然です」

「弁護士?」

「田の周辺物が関与している能性があります」

俺は背筋がえるのをじた。

母は俺たちを追い詰めているつもりでいる。

だがその母自も、直と田の罠のにいる。

弁護士の調査結果は、像以だった。

直は違法賭博できな借を作っていた。

自分では返せない。

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そこで代から付きいのあった田浩司へ相談した。

の背には、違法賭博や詐欺に関わるグループがいた。

「定期預の暗証番号を直さん自らなかった」

弁護士が資料を指した。

「だから母親を利用したのです」

は投資会社の代表を装った。

10%というあり得ない配当を見せ、見栄っ張りな母を信用させる。

最初のうちは実際に配当を渡す。

母が欲をしたところで、さらにきなさせる。

結果。

父の3000万円は、直の借返済と田たちの利益へ消えた。

直が700万円のを買えたのも、その過程で流れた部らしい。

母が自していた息子。

自分の方だと信じていた息子。

その直こそが、最初から母のを狙っていた。

「しかも、田氏はの保証になっている」

弁護士が言う。

「直さんを信用させるためでもあり、お母様へ『息子さんは成功している』とわせるための演でしょう」

弓が顔を曇らせた。

「お義母さん……何もらなかったのね」

「だからといって、弓への仕打ちが消えるわけじゃない」

俺は答えた。

母自が被害者だった部分はある。

しかし弓を15いびり、棒に仕てようとしたのは母自だ。

そこを混同するつもりはなかった。

そのの午、直から話が来た。

『兄貴。の昼、もう度実へ来いよ』

妙にるい声。

『叔父さんたちも呼ぶ。母さんの弁護士の先も来るから』

「話すことはない」

『そう言うなよ。を母さんたちの名義にすれば、被害届も取りげるってさ』

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