みかん小説
本棚

"冷えた雑煮の逆転正月" 第6話

10、伺います〉

そのに、もう文ある。

〈直さんのについて調査しました。保証欄に、お母様ではない物の名があります〉

俺は画面を見つめた。

直の

消えた父の3000万円。

そこには、まだ別の何かがある。

翌朝。

弓は、擦り切れたカーディガンを着なかった。

5、父がくなるに、誕祝いとして買ってくれた紺のワンピース。

ずっと箪笥の奥へしまっていただった。

く化粧をし、髪もえている。

「今切なだから」

鏡越しに弓が微笑んだ。

その姿に、怯えた嫁の面はなかった。

1階へりると、母が座布団を並べているところだった。

「直、そこじゃないわ。もうすぐ正夫さんたちが来るんだから」

親族を呼んだらしい。

弓を見るなり、母が眉を吊りげる。

「何よ、その派

弓は逃げなかった。

「お義父さんに買っていただいたです」

「今事な話なのよ」

「お義父さんの遺産のお話もされるんですよね。だから着ました」

母が言葉に詰まった。

9半。

父の弟である正夫叔父さんと、その妻がやってきた。

「正々、急に何だ」

実直な叔父は、昔から母の見栄っ張りな性格をよくっていなかった。

皆が座ると、母は待っていましたとばかりにハンカチを目元へ当てた。

「正夫さん、聞いてください。うちの嫁がとんでもないことをしたんです」

広告

弓を指す。

「健っている庫を探って、お父さんの遺産を盗もうとしたんです」

叔父の表が変わった。

直もを挟む。

「俺も見たよ。夜にこそこそやってた」

全部嘘だ。

「だから俺たちは、危ないとって預を別の所に移したんだ」

自分たちの使い込みを、弓から守るためだったことにするつもりらしい。

母はテーブルのへ、あの婚届を置いた。

「弓さんにも反省して判を押してもらいました」

俺は黙って聞いた。

に全部喋らせる。

逃げを自分たちで塞がせるために。

「母さん」

分話したところでく。

「弓が庫を探ったから、預かしたんだな?」

「そうよ。あなたのおを守るため」

「なら、どうして定期預を解約したのは半なんだ?」

母の泣き真似が止まった。

「弓が庫のことを調べ始めたのは、ごく最なんだろ?」

「それは……」

「それに移したはどこにある?」

俺は通帳のコピーをした。

「残12万5000円だ」

正夫叔父さんがを乗りした。

「待て。3000万円以あったはずだろう」

母の額に汗が浮く。

「違うの、それは直の将来のために……」

「700万円のを買うことが将来のためか?」

直の顔が固まった。

「あ、兄貴、なんで値段を……」

その、玄関のチャイムが鳴った。

母ががる。

「あ、かしら」

が滑った。

叔父が母を見る。

?」

「いや、その……」

母は逃げるように玄関へ向かった。

広告

だが入ってきたのは産会社ではない。

黒いスーツを着た初老の男性。

俺の弁護士だった。

「佐藤健様の代理として参りました」

母がけたまま固まる。

弁護士は居へ入り、アタッシュケースを置いた。

「本は佐藤の財産について、いくつか確認させていただきます」

類が並べられる。

父の預履歴。

直のの契約

産査定資料。

母が震え始める。

弁護士がの購入契約を示した。

「まず直さんのですが、保証欄にかれている物をごじですか?」

は田浩司。

俺にも覚えがない。

直の顔だけが、らかに変わった。

らない」

即答した。

「俺はらない。母さんが勝にやったんだ」

母が驚く。

「何言ってるの。あなたのいでしょう?」

「違うって!」

弁護士が続けた。

「こちらで確認しました。田浩司氏は、かず子さんが最入りしていた投資会社の代表です」

「投資会社?」

俺と弓は顔を見わせた。

母は父のからろした、その投資会社へ運んでいた。

10%の配当をうたう業者です」

弁護士の声は淡々としていた。

「最初の数かは配当が振り込まれていますが、典型な詐欺の仕組みです。かず子さんは信用し、最終に父の遺産のほぼ全額を預けています」

母が震える。

「だって……本当に増えてたのよ」

「先から連絡が取れなくなっていますね」

母は顔を覆った。

父が涯かけて残した3000万円。

直の

級な着物。

そして投資会社。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: