みかん小説
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"アクセル細工の報い" 第12話

備士の友から、

「もう丈夫」

と言われた、ようやく胸の奥に溜まっていたものがし軽くなった。

私はの運転席へ座った。

ハンドルにを置く。

懐かしい革の触。

祖父と緒に乗った頃から変わらない景が、ふとに浮かんだ。

「おじいちゃん」

誰もいない内で、さく声にした。

「ちゃんと守れたよ」

、私はしいまいへ引っ越した。

祖父のして保管できるガレージ付きのを選んだ。

久しぶりの1暮らしは、最初こそし寂しかった。

しかし誰かの嫌を気にしなくていい。

事を作るのも、自分がべたいだけでいい。

仕事から疲れて帰ったは、簡単な料理でも誰にも文句を言われない。

には、好きなかけられる。

そんな当たりの自由が、こんなにもいいものなのだと初めてった。

は、備士の友緒にドライブへかけた。

「本当に事にしてるんだね、この

席から友が笑った。

「うん。私にとっては値段じゃないから」

「おじいさんとの?」

「それもある」

私は方を見ながら答えた。

「でも今は、自分で守ったっていうも増えたかな」

し笑った。

くなったね」

私は首を横に振った。

くなったというより、もう自分の切なものを誰かの都放したくないだけ」

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は静かに沿いのんでいった。

窓のには青い空が広がっている。

、翔太を助席へ乗せてったも、今は全く違って見えた。

祖父から受け継いだおも、も、も。

私はこれまで、それらを使うことにどこか罪悪があった。

祖父が苦労して残したものだから、自分のために簡単に使ってはいけない。

ずっとそうっていた。

けれど今はし考えが変わった。

祖父は、私が苦しむために財産を残したわけではない。

将来困らないように。

幸せに暮らせるように。

そう願って託してくれたものだった。

だったら必には、自分を守るために使っていい。

自分のを楽しくするために使っていい。

もちろん無駄遣いするつもりはない。

でも誰かに奪われないよう、ただ抱え込んできる必もない。

信号待ちでを止めると、私はハンドルをそっと撫でた。

「おじいちゃん。これからも事にするからね」

窓のから、柔らかなが入ってきた。

まるで祖父が昔のように笑っている気がした。

私は信号が青に変わるのを確認し、ゆっくりらせた。

もう助席に、私の財産だけを見つめるはいない。

これからは、自分のためにんでいく。

祖父が残してくれた緒に。

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