"勘違い常連の末路" 第1話
「結婚するなら、自然に会って、しずつ惹かれうのが理だろう」
曜の夜、駅の居酒で焼き鳥をべていた佐々博は、にしていた串を皿へ置きながら当然のように言った。元には、自分がごく普通のことを話していると信じている特の、余裕のある笑みが浮かんでいた。
佐々は51歳。堅物流会社の総務部で働く独男性だった。
同じテーブルを囲んでいるのは、学代からの友である岸と岡本だった。岸は30代で結婚し、すでに2の子供が成している。
岡本は48歳のに結婚相談所へ登録し、そこで紹介された女性と結婚した。佐々にとって、2は自分とは異なる方法で結婚へたどり着いた友だった。
岸はビールのグラスを置き、向かいに座る佐々をじっと見た。
「自然な会いって、おは具体に何をしてるんだ?」
「何をするって?」
佐々は質問のが分からないというように眉を寄せた。
「普通に活していれば、会うは会うだろう」
「会社との往復でか?」
「休みのにはかけてるよ」
「1で本にって、1で飯をって帰るだけだろう」
岸に指摘され、佐々はわずかにを尖らせた。誰かの予定にわせず、1のを楽しめる自分を、成熟したの男だと考えていたからだ。
「結婚する気があるなら、くいた方がいいぞ」
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「別に焦ってないよ」
「焦るかどうかの話じゃない。齢ががれば、相を見つけるのが難しくなるのは当たりだろう」
岸はそう言うと、隣に座る岡本へ顎を向けた。
「こいつみたいに、結婚相談所を使ってみたらどうだ。岡本にはってたんだろ?」
岡本はし照れたように笑い、箸で枝豆をつまんだ。
「俺は自分から女性へづくのが苦だったからな。誰かを紹介されても、相に迷惑じゃないかと考えて、結局何もできなかった」
佐々は内でさく頷いた。
岡本は結婚相談所を使わなければ、結婚できなかったのだろう。誰かに用された会いでよく結婚する気になれるものだと、どこかめた目で見ていた。
岡本はそんな佐々の胸の内に気づかず、自分の経験を続けた。
「相談所だと、担当のがに入ってくれるだろう。会うから相も結婚相を探していて、俺と会ってみてもいいとってくれている。それが分かっているだけで、ずいぶん気が楽だった」
岡本は妻と初めて会ったのことをいすように、ゆっくり言葉を選んだ。
「仕事やむ所、結婚の考え方も、変に探りわず確認できた。もちろん条件だけで決めるわけじゃない。実際に会って話して、わなければ断ることもできる」
「結婚したい者同士だから、話がいってことか」
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「そうだな。最初から考えがきくずれていない相と会えるのは、俺には助かったよ」
佐々はさく息を吐いた。
「でも、俺はそういうのは違うとうんだよな」
岸と岡本の線が、同に佐々へ向いた。
「相談所で相を探すより、常ので自然に始まる恋がいいんだよ。条件を確認してから会うなんて、最初から結婚だけが目みたいじゃないか」
「結婚相を探す所なんだから、目は結婚だろう」
岸が即座に返すと、佐々は苛ったように首を振った。
「そういうじゃない。最初は何でもないところから始まって、話しているうちに気がって、気づいたらお互いに識している。そういう流れが自然だろう」
「言いたいことは分かるけど、待っているだけじゃ始まらないぞ」
「待ってるわけじゃない」
「じゃあ、何か始めてるのか?」
佐々は答えず、皿に残っていた枝豆へを伸ばした。
本当に縁がある相なら、こちらから必にづかなくても、向こうも何かをじるはずだ。自分から女性へづくことは、がつがつしていて格好が悪い。
佐々は、それこそが誠実で落ち着いたの恋だとっていた。
岸は岡本と顔を見わせた。2がなぜ配そうな表をしているのか、佐々には分からなかった。
自分は岡本のように、誰かにを取り持ってもらわなければ女性と話せない男ではない。
ただ、まだ縁のある女性が現れていないだけだ。