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"元嫁の15枚返し" 第14話

そして京子へ線を移した。

「飯い虫」

京子の肩が震えた。

「夫のすねをかじっているだけの女」

羅が俯いた。

「役たずの嫁」

は唇を噛んだ。

「そう言って私をから追いしたのは、いつでしたか?」

誰も答えられなかった。

「今さら、その元嫁に1万円を恵んでほしいと言うんですか?」

恵子は警備員へ線を送った。

3たされた。

京子は泣きながらを伸ばした。

「恵子……私が悪かった……」

恵子は背を向けた。

数歩んだ度だけち止まった。

「お義父様が私に残してくださったのは、10億円のではありません」

3が顔をげた。

「私が1であることを、させてくださったんです」

静かな声がロビーへ響いた。

「それは、あなたたちが12度も私に与えてくれなかったものです」

恵子はそれ以何も言わなかった。

3は建物のされた。

回転扉が閉じる直、健が叫んだ。

「恵子! 本当にすまなかった!」

しかし恵子は振り返らなかった。

りると、1台のが待っていた。

その横には、仕事のパートナーである田勇気がっていた。

恵子を「社の妻」でも「誰かの嫁」でもなく、1の専として評価してきた物だった。

「代表、お疲れさまでした」

は助席の扉をけた。

「これで過理は終わりましたね。次はプロジェクトです」

恵子が乗り込もうとすると、田内から膝掛けを取りした。

「今えましたから、どうぞ」

恵子のが止まった。

寒くないか。

疲れていないか。

12、誰からもほとんど聞かれなかった言葉だった。

恵子は膝掛けを受け取った。

「ありがとうございます」

が静かにした。

窓のには都かりが流れていた。

恵子は度だけバックミラーを見た。

ざかるビル。

そのに残された、かつて族だった3さな姿。

数秒見つめた、恵子は正面へ線を戻した。

もう振り返る必はなかった。

誰かの嫁でもない。

誰かの妻でもない。

佐藤恵子という、自分自の名きていく。

12止まっていた彼女のは、その夜ようやく、本当のき始めた。

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