"12年目の虫かご" 第8話
そして夫ののから戻ってきた計だった。
検察官が静かに尋ねた。
「息子さんがいなくなってから、どのように過ごされてきましたか?」
母親はすぐには答えなかった。
のの計を見つめた。
「毎朝530分に起きました」
法廷が静まった。
「弁当を作りました」
「何個ですか?」
「5つです」
声が震えた。
「翔太が好きだったおかずを入れて、あの子の友達が好きだった梅干しも入れて……の子たちのお母さんにも好きなものを聞きました」
母親は涙を拭わなかった。
「の入に置きました。筒も用しました」
「毎ですか?」
「毎です」
「12?」
母親は頷いた。
「帰ってきたら、お腹が空いているとったから」
誰も物音をてなかった。
母親はゆっくり顔をげた。
初めて被告席の夫を見た。
「夫さん」
夫は俯いたままだった。
「1つだけ教えてください」
母親は計を握りしめた。
「なぜですか」
声が掠れた。
「なぜ翔太を……あの子たちまで……」
その先を言えなかった。
母親は証席で泣き崩れた。
夫は最まで顔をげなかった。
もう1つ、法廷で流されたものがあった。
すでにくなっていた雑貨の文が残した映像だった。
画面ので、老女は酸素を吸いながら話していた。
「あの、夫さんのトラックにコンクリートの跡がたくさん残っていました」
傍聴席では、遺族たちが互いのを握った。
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「くに子供の網の子もありました」
文は何度も息をえた。
「私は怖くて言えませんでした」
そしてをげた。
「ごめんなさい」
「本当にごめんなさい」
映像が終わったも、法廷はしばらく静まり返っていた。
最の公判がかれたのは、そのの晩だった。
裁判が判決文をいた。
被告が自らの財産に関する正を隠すため、実の甥を含む5の幼い子供を巻き込んだこと。
事件、遺族と共に捜索するふりを続けたこと。
族のしみを利用しての管理権を自らへ移したこと。
そして期にわたり、子供たちの持ち物を自宅のへ隠していたこと。
それらが順番に読みげられた。
弁護側が主張した「偶発な事故」についても、裁判所は認めなかった。
事件から型枠が準備されていたこと。
の境界をかしていたこと。
薬品が用されていたこと。
事件すぐに捜索所を川へ誘導していること。
裁判は、それらの事をく見た。
やがて判決が言い渡された。
無期懲役。
い言葉だった。
しかし、その言が法廷へ響いた瞬、遺族席では何もの族がちがった。
誰かが隣のの肩を抱いた。
別の母親は顔を覆った。
12。
虫かごと網を持ち、真の朝に笑いながらていった5。
そのが、ようやく公ので事件の被害者として認められた瞬だった。
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判決。
には5のための慰霊碑が建てられた。
いコンクリートのに閉じ込められていた5は、ようやくそれぞれの族のもとへ帰ることができた。
翔太の母親は、毎朝作っていた5つの弁当を、そのを境に作らなくなった。
最の。
いつものように朝530分に起きた。
台所で5つの弁当箱を並べた。
翔太の好きだったおかず。
友達の好きだった梅干し。
筒。
そしての入へ向かった。
12、何度も歩いただった。
母親は弁当を置き、いそのにっていた。
そしてさな声で言った。
「もう帰ってきたんだものね」
涙を拭った。
「おかえり、翔太」
そのが、最の弁当になった。
の入にあった雑貨も、文がくなったにを閉じた。
ただ、族がを片づけた、古い蔵庫のにはラムネが5本並んでいたという。
しいものだった。
入院する直まで、文が交換していたものだった。
あの刑事は事件が終わった、11使い続けた帳を閉じた。
最初のページには、褪せた文字でこう残っていた。
「子供の跡。ではなく作業方向」
そのには、
「設コンクリート。計バンドらしき属片」
といてあった。
11。
もしあの、さらに歩踏み込めていれば。
もっとくコンクリートを調べることができていれば。
刑事のには、そのいが残り続けた。
しかし同に、あのき残したさな違を捨てなかったからこそ、11に真実へ戻るを見つけることができた。
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