"12年目の虫かご" 第5話
齢だったこともあり、医師から族にはくない能性が伝えられた。文は病へ孫を呼び、ベッドの横へ座らせた。
い沈黙の、老女はをいた。
「あの子たちがいなくなったのことなんだけどね……」
孫は黙って祖母の顔を見た。
「あの、夫さんのトラックを見たんだよ」
「夫さんの?」
「いつもと違うをってた。それに、その何もからコンクリートの材料をたくさん買い込んでいたんだ」
文の目に涙が浮かんだ。
「事件の、トラックの荷台にコンクリートの跡がいっぱい残っていた。それから、さな網の子みたいなものも見た」
「どうして警察に言わなかったの?」
孫が尋ねると、文は顔を伏せた。
「怖かったんだよ」
の力者だった夫。
本の力。
狭いで疑いをにした、もし違っていたらどうなるのか。
そう考えると何も言えなかった。
「11、ずっと悔してた」
文は震える声で続けた。
「私があの言ってたら、あの子たちはもっとく帰れたかもしれない」
その夜、孫はほとんど眠れなかった。
翌朝。
管轄の警察署へ話をかけた。
名は告げなかった。
「11の、5の子供が消えた事件についてです」
話を受けた警察官が聞き返した。
「何か報がありますか?」
「もう度、調べてもらえませんか」
い通報だった。
しかし、その内容は古い事件資料へ記録された。
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さらに約2か。
夫が突然体調を崩した。
顔面神経麻痺との震えが現れ、1かく入院することになった。
夫がを空けている、族が本の掃除を始めた。
古くなったを拭いていた族の1が、板の部だけわずかに浮いていることに気づいた。
「ここ、何か変じゃない?」
指をかけると、板が持ちがった。
そのには、さな収納空があった。
奥に古びた袋が押し込まれている。
袋を引きし、をいた。
族のが止まった。
からてきたのは、古い虫かごだった。
1つ。
2つ。
さらに奥からもてくる。
全部で5つ。
そして、子供用の腕計が1つ。
いが過ぎていたが、ただの用品とはえなかった。
族の1が震える声で言った。
「これ……あの事件の……?」
すぐに警察へ連絡した。
「のから、おかしなものがてきたんです」
匿名の通報。
5つの虫かご。
子供用の腕計。
11、れていた点がつながり始めた。
そのの初。
夫の族は、作業に残っていた古いコンクリート基礎を補する事を業者へ依頼した。
夫が入院していたため、族が全点検を兼ねてめたものだった。
が基礎の部を崩し、面を掘りげていく。
突然、作業員が械を止めた。
エンジン音が消える。
作業員はい表でからり、掘った所へづいた。
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「……これ」
別の作業員が覗き込む。
誰もすぐには言葉をせなかった。
コンクリートの残骸のから、さな骨の部が見えていた。
「の骨じゃないか……?」
事は即座に止された。
警察へ連絡が入った。
そして、その現へ急いで向かった1の刑事がいた。
11、38歳だったあの刑事だった。
彼はすでに警部補へ昇していた。
現に到着すると、崩されたコンクリートのへゆっくりと歩いた。
そして、そのにしゃがみ込んだ。
しばらく何も言わなかった。
やがて胸元から古い帳を取りした。
11の文字が残っていた。
「しい運靴らしき跡」
「作業方向」
「コンクリート基礎」
「計バンドらしき属片」
刑事はくそのページを見つめた。
そして無線をにした。
「本部へ」
度息をえた。
「11の5の児童失踪事件について、再捜査を請します」
再捜査は翌朝、正式に決定された。
県警本部からも員が入り、作業全体が規制された。11とは比較にならない規模で、コンクリート基礎の精密な解体が始まった。
何方メートルにも及ぶ基礎を、気に壊すことはできない。
わずかな遺留品も失わないよう、層ずつ慎に削っていった。
作業始から3目。
最初の骨が確認された。
さらに掘りめる。
数には別の所からも骨が見つかった。
1週ほどのに、5分とみられるさな骨が次々と確認された。
周囲からは、虫かごの壊れた部品。
網の部。
類の断片。
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