みかん小説
本棚

"断髪新郎の逆転婚礼" 第8話

私は兄の隣にったまま、美紀さんを見た。

「彼女は川崎彩佳さん。郎・健太さんの妹で、今から私の妹にもなるです」

礼子さんがこちらを見ている。

美紀さんは続けた。

「そして、私と健太さんを結びつけてくれたでもあります」

私は驚いて美紀さんを見た。

「私たちが今ここで結婚できるのは、彩佳さんのおかげなんです」

「え?」

わず声が漏れた。

美紀さんはし息をえてから、会へ向き直った。

「実は私は、健太さんと会うから彩佳さんと友達でした」

そこで初めて、兄が何度も言っていた言葉のが分かり始めた。

美紀さんはマイクを握ったまま、ゆっくりと話し始めた。

「私はまで、摂障害で病院に通っていました」

が静かになった。

礼子さんが慌てて声をげた。

「ちょっと美紀。そんなこと、こんなところで話さなくても」

「ううん。今はちゃんと聞いてもらいたいの」

美紀さんは母親の方を度見た、話を続けた。

「きっかけは、お客さんから言われた何気ない言でした」

美容師として働いていたある、客に体型のことを笑われた。

髪をおしゃれにしていても、太っていたらがない。

そんな言葉だったという。

最初は笑って流そうとした。

しかし、その言葉がかられなくなった。

べれば太る。

太ればまた笑われる。

広告

そうううちに、事そのものが怖くなっていった。

「どんどん痩せて、病院に通うようになりました。でもべなきゃいけないと分かっていても、べられなかった」

私は美紀さんの横顔を見つめた。

私が美紀さんと初めて会ったのは、その頃だった。

乳がんの治療で病院へ通っていた私は、抗がん剤の響で欲を失っていた。ある、病院の庭へると、ベンチに座り、パンを持ったままぼんやりしている女性がいた。

それが美紀さんだった。

美紀さんはパンを見つめたまま、べようとしなかった。

私はく考えずに声をかけた。

「そのパン、美しそうですね」

美紀さんは驚いた顔でこちらを見た。

私は自分のみ物を見せながら笑った。

「私もべたいんですけど、今はあまりべられなくて」

それが最初の会話だった。

病気の種類は違っても、べたいのにべられないという苦しさだけは共通していた。

私は両親をくした直期ほとんど事が取れなくなった経験もあった。その頃のことを、美紀さんへしずつ話した。

「治したくても治せないって美紀さんが言った、私は『無理してべなくてもいいよ』って言ったんです」

美紀さんは会へ向かって頷いた。

「その言葉を聞いた、私、泣いたんです」

礼子さんは呆然としていた。

広告

では母が配して、あれをべろ、これならべられるでしょうって、毎々用してくれました」

美紀さんは母親へ線を向けた。

「もちろん、母が悪かったわけじゃありません。配してくれていたことも分かっています。でも当の私には、『べなさい』と言われること自体がプレッシャーでした」

礼子さんは唇を結んだ。

「そんな、彩佳さんだけが『無理しなくていい』って言ってくれた。べられない自分を責めなくていいって」

その、私たちは病院の庭で顔をわせるたびに話すようになった。

病気のこと。

仕事のこと。

族のこと。

そしてある、私は何気なく健太の話をした。

流ホテルで料理をしている兄。

を裏返したまま洗濯へ入れる兄。

料理以活能力がかなり怪しい兄。

美紀さんはその話を面がり、会ってみたいと言った。

それがきっかけだった。

「健太さんと話すようになって、私はしずつうようになったんです」

美紀さんは兄を見た。

「このが作る料理って、どんななんだろうって」

料理に興を持った。

ならべてみたいとった。

健太が無理にべさせようとせず、量ずつ料理を用したことで、美紀さんはしずつ事を取れるようになっていった。

「だから私にとって、2は恩なんです」

美紀さんは私と兄を交互に見た。

「健太さんとは、これから緒に過ごしたいといました。そして彩佳さんには、私が番苦しかったに助けてもらった恩があります」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: