みかん小説
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"ブサ婿の正体" 第9話

皿を棚へ戻す。

「誰にも見てもらえていないは、自分のことも見なくなるんですね」

その言葉が胸に残った。

「誰かにちゃんと見てもらえているは、自分を切にできる」

剛はい目をした。

「それに気づいたのは、になってからです」

私は濡れたを拭いた。

「だから、あの公園で私を見た……」

事にえなかったんだといます」

剛は頷いた。

「助けたかったのか、自分をねていただけなのか、今でも分かりません」

を置いた。

「でも、通り過ぎたことだけはずっと悔していました」

私は剛を見た。

7

声をかけることができなかった

そのが、になって私のへ現れた。

悔するって」

私は静かに言った。

「まだ、そののことを切にっているってことなのかもしれませんね」

剛は私を見た。

悔してくれて、良かったです」

「良かった?」

「はい」

私は笑った。

「剛さんが悔してくれたから、今の私がいるので」

剛はし目を細めた。

悔って、全部が悪いものじゃないんですね」

それが剛の笑顔なのだと、今の私はっている。

きく笑うではない。

を表すでもない。

でも確かにそこにある。

さくて、静かな、本物の笑顔。

見てもらえなかった2が。

お互いを見るようになった。

ただそれだけのことだった。

でも、を変えるには、それで分なのかもしれない。

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私は今でも々、15歳だった自分のことをす。

12の夜。

コートも着ずにして。

暗い公園のベンチに座り。

1で泣いていた女の子。

あの頃の自分にけるのなら。

私はきっと、こうく。

丈夫。

今夜は泣いていていい。

あなたは悪くない。

父親がることも。

母親があなたを守らないことも。

あなたのせいではない。

今は誰にも見てもらえていないとうかもしれない。

誰にも必とされていないとうかもしれない。

でも。

今、あなたの横を通り過ぎたがいる。

勇気がなくて、何も言えずに歩いていった

そのは今夜のことを忘れない。

7ずっと悔して。

回りをして。

それでも、もう度あなたのまで来てくれる。

し遅いけれど。

ちゃんと来る。

だから今夜は泣いていていい。

誰にも見てもらえない夜があったとしても。

あなたのことをちゃんと見ているは、この世界のどこかにいる。

そしていつか。

あなた自も、自分を見ることができるようになる。

自分の気持ちを聞いて。

自分で選んで。

嫌なものには嫌だと言って。

好きなものを好きだと言えるようになる。

あの

公園の灯ので泣いていた15歳の私には、像もできない活だった。

朝、自分の好きな料理を作る。

夫がそれを「おいしい」と言う。

には2でスーパーへく。

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かぼちゃを見れば、剛が好きだったなとって籠へ入れる。

何か嫌なことがあったは、温かいお茶をみながら話す。

何も話したくないは、何も話さず同じ部にいる。

誰かに命令されることもない。

誰かの嫌を読み続ける必もない。

自分が役にかどうかを証しなくてもいい。

そんな毎が、今ここにある。

ある朝。

私はキッチンで噌汁のを確かめていた。

から剛の音が聞こえた。

「今、かぼちゃありますか?」

私は振り返った。

「ありますよ」

「良かった」

「本当に好きですね」

「はい」

私は笑った。

剛もしだけ笑った。

窓から朝のが差し込んでいた。

何でもない朝だった。

特別なことなど何も起きていない。

それでも私は、こんな朝がずっと欲しかったのだとった。

誰かに使われるためではない。

誰かを救うためでもない。

ただ、自分のとしてきる毎

私はようやく、そのっていた。

そして隣には。

7、声をかけることができずに通り過ぎたがいる。

回りをして。

遅れて。

それでもちゃんと私のところへ来てくれた

私は鍋のめながら、静かにった。

あの夜。

公園で泣いていた私へ。

もう丈夫だよ。

今はちゃんと。

あなたを見てくれるがいるから。

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