"赤ワインの逆転離婚" 第1話
え切っていた夫との久しぶりので、私はし浮かれていた。
ところが数、私のいワンピースは赤ワインに染まり、目のでは見らぬ女が空になったボトルを片に笑っていた。
「ワインのおはどう?」
何が起きたのか理解できず、私はから流れ落ちる赤い雫を見つめていた。を浴びせられたわけでもないのに、全が急激にえていくようだった。
私の名は恵、30歳。結婚して3になる、仕事を続けながら事もしている兼業主婦だった。
そろそろ子どもを持つことを考えてもいい齢だとはっていた。しかし仕事は充実していて、忙しさので活を変える決まではつかなかった。
夫もまた仕事が忙しく、残業のいだった。
平に休むことがい私と、基本にが休みの夫では、活のがなかなかならない。朝、私が目を覚ましたには夫がすでに勤していたり、私が眠ったに夫が帰ってきたりすることも珍しくなかった。
休暇を取れば同じに休むこともできただろう。けれど私も夫も、わざわざ仕事を休んでまで緒に過ごそうとはしなかった。
そんな状態で、夫婦関係がうまくいくはずもなかった。
同じに暮らし、同じ名字を名乗ってはいる。それでも実際には、夫婦というより同居にい関係になっていた。
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それでも婚しなかったのは、互いになからずが残っていたからだとう。寂しいとじる夜はあっても、私は仕事を辞めるつもりも、夫の予定にわせて休みを取るつもりもなかった。
夫も同じだったのだろう。
私たちは、結婚に向いていなかったのかもしれない。
そんなことを考えるもあったが、全く緒に過ごさないわけではなかった。私の休は変しやすく、たまに夫と休みがなることがあった。
そんなは、どちらからともなくリビングに集まった。録画しておいた映画を流し、ソファに並んで座りながら、缶ビールやワインをけた。
「今回のは当たりだったね」
エンドロールが流れる画面を見ながら私が言うと、夫はグラスを傾けながらし考えた。
「悪くなかったけど、あそこはもうし性が欲しかったな。途で結末が読めたし」
「そう? 私は全然分からなかったけど」
「恵は素直に見すぎなんだよ」
そんなもない会話をしながら酒をんでいると、夫婦でいるのも悪くないとえた。普段のすれ違いや寂しさがれ、婚という言葉がまたしざかっていった。
ひょっとしたら、私たちにはこの距がちょうどいいのかもしれない。
夫婦の形はそれぞれだ。毎緒に事をして、休も常にを共にする夫婦だけが正しいわけではない。
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私たちは私たちなりに、無理をしない関係を築いている。
そう考えるようになると、この活もによくじられた。
残業で帰宅が遅くなっても、お互い様だから責めない。く帰った方が余裕のあるだけ事を用し、疲れているはそれぞれで済ませる。
夫が先に帰ったは、簡単な夕を作ってくれることもあった。私が先に帰れば、夫が帰宅したにすぐ呂か事を選べるよう準備しておいた。
夕にがあれば、酒をみながらテレビを見る。忙しい期には、1週まともに顔をわせないことさえあった。
それでも同じに帰ってくる。
このし変わった関係が、この先も続けばいい。
私はそうっていた。
ところが、同じようにじていたのは私だけだったらしい。
ある頃から、夫の態度が目に見えて変わり始めた。
言で表すなら、たくなったのだ。
私が夕を用しても、夫は料理を見るから鞄を置き、面倒そうに言った。
「べてきたから、いらない」
「連絡してくれたら、作らなかったのに」
私が困って鍋へ線を落としても、夫は謝ろうとしなかった。ネクタイを緩めながら自へ入り、そのまま扉を閉めてしまった。
別のには、久しぶりに緒にもうと誘った。
「蔵庫にしいワインがあるけど、しまない?」
夫は私の方を見ようともせず、蔵庫からを取りした。
「今は1でみたい」