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"天井裏の元彼" 第8話

それは救いだった。

しかし同に、約1、執着した元恋の真活していたという事実を受け入れなければならなかった。

眠っているも見られていた。

着替える姿も見られていた。

との会話も、族への話も聞かれていた。

恐怖で泣いている、誠は数センチにいた。

そして里奈を助けるどころか、彼女が自分を疑い、追い詰められていく姿を眺めていた。

最も恐ろしいのは、誠が最まで井裏からりてこなかったことではない。

もしある夜、ただ見るだけでは満できなくなっていたら。

もし里奈が眠っている井板をし、ベッドの横へりてきていたら。

その、何が起きていたのか。

里奈は、その能性を考えずにはいられなかった。

真相をった、里奈はにわたって理療法を受けた。

井の音に過敏になり、ホテルやでも眠れない期が続いた。

へ入ると、まず井の点検を確認する。

換気や収納の奥を調べる。

べ物の数を記録する。

物を置いた位置を写真に撮る。

何も起きていないと分かっていても、その習慣をやめることができなかった。

やがて里奈は会社を辞め、福岡をれた。

誰も自分の過らない町で、しい仕事を始めた。

活はしずつ落ち着きを取り戻した。

それでも夜、建物がきしむ音を聞くと、里奈は目を覚ました。

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暗い井を見げ、そこにさな穴がいていないか確認した。

あの1の記憶が消えることはなかった。

福岡にある古い5階建ての建物は、そのも取り壊されずに残った。

階のワンルームには、学の男女が退したも、何ものが入れ替わって暮らした。

井の穴は塞がれ、内部も修繕された。

だけを見れば、過に何があったのか分からない。

しい入居者のには、何もらずにベッドを置き、眠った者もいた。

しかし隣では、その話が囁かれ続けた。

元恋と別れた女性。

誰も信じてくれなかった物音。

消えていくべ物。

になった部

そして2、寝井裏から発見された、の男。

あの部で最も恐ろしかったのは、者が眠っていたことではない。

里奈が恐怖に震えながら井を見つめていた、まだきていた男が、そのさな穴の向こうから彼女を見返していたことだった。

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