"母の墓に立つ母" 第17話
輝に押し付けるように譲ったあのい役職を、今度は自ら背負う。ハルトを守るためにも、もう逃げることはできなかった。
そのらせを聞いた恵美子は、自分が始めたことがこれほどきな劇につながったという事実をり、そのに崩れ落ちた。
数、恵美子は自らハルトを訪ねてきた。
子どもので、彼女は膝をついた。
「おばあちゃんが本当に悪かった。どうか許しておくれ」
声は震えていた。
ハルトはその姿をじっと見つめ、やがて無言でづくと、恵美子のを引いてちがらせた。
そのさなつきに、恵美子の目から再び涙が流れ落ちた。
同じ頃、敬は役員全員を招集した。
会議の、敬は役員たちを見回し、淡々とした声でをいた。
「本付で、田健を副会として経営に参加させる。今1つ1つ学び、が来れば会の座も譲るつもりだ」
内がざわめいた。
敬は発表を終えると、健の方へ向き直り、息子のをそっと握った。
健はそのを握り返し、く、しかしはっきりした声で言った。
「未熟者ですが、真摯に学ばせていただきます」
その言には、10以も避けてきた自分のを、今ようやく受け入れる決が込められていた。
敬は息子の肩を叩き、頷いた。
輝はその、正式に逮捕され、裁判を受けることになった。
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彼をいのように支えてきた吉田も、自らの罪から逃れることはできず、共に逮捕された。
川崎も園の資格を剥奪され、告発された。
こうして、いのに埋もれていた嘘は、ようやくのに引きずりされた。
季節が巡し、再び5が訪れた。
朝の麓、美紀が眠る所には、今ではさな追悼の庭が作られていた。
アカシアのが1本、そのそばにしく植えられ、いがにいながらりを放っていた。
美優、ハルト、健、そして敬と恵美子が並んでち、そのに野のの束をそれぞれ供えた。
美優はそのので、いっていた。
姉はいつもそうだった。
両親をくしたあの頃から、妹の学費を稼ぐために自ら学ぶことを諦めた瞬まで。そして最には、妹の息子を自分の子のように抱きしめ、での厳しい歳を耐え抜いた瞬まで。
1度だって、自分のことを先に考えなかった。
姉のは、最初から最まで、誰かを守るための献そのものだった。
美優は墓のに膝をついた。指先で盛りののをそっと撫でながら、静かに呟いた。
「お姉ちゃん、お疲れさま。そしてありがとう。ハルトを最まで守ってくれて」
が吹き、アカシアのびらをいげた。
そのびらが、墓のへ果てしなくり注いだ。
ハルトはそのそばにち、墓のに落ちるびらをじっと見つめていた。
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10く自分を抱きしめてくれた。
夜に聞かせてくれた子守。
で自分のを引いてくれたろ姿。
そのすべてが、胸の奥に浮かんできた。
ハルトはい声で、静かに言った。
「母さん、守ってくれてありがとう」
声がしずつ震え始めた。
「してるよ、母さん」
その言葉を最に、ハルトの目から涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。
そばにっていた美優がづき、ハルトの肩をそっと抱きしめた。が再び吹き、族全員を撫でていった。
アカシアのびらが、絶えなく散り続ける。
のからでも根を張り、ついにを咲かせる野ののように、美紀のは、この族の最もい絆として残り続けた。
ハルトは涙を拭い、もう度墓を見つめた。
「ってきます」
その言葉に、美優が静かに頷いた。
健も、敬も、恵美子も、それぞれの胸ので美紀にをげていた。
のには、あのと同じ5のがり注いでいた。
けれど、そこにつハルトはもう、1ではなかった。
墓へ続くを振り返ると、いびらがのに点々と落ちていた。まるで、これから先のを静かに照らしているようだった。
ハルトは美優のを握った。
そのは、まだし震えていた。
けれど、今度はれなかった。
「帰ろう、母さん」
初めてその言葉を向けられた美優の目から、静かに涙が落ちた。
「ええ、帰りましょう」
2は並んで歩きした。
背では、アカシアのがに揺れていた。
そのいびらは、き美紀の祈りのように、いつまでも墓のへり続けていた。