みかん小説
本棚

"8年目の松林" 第10話

々は田を避けるようになった。

酔っ払い。

面倒な男。

そう言われた。

息子さえ、父親に失望した。

しかし田は真実を言えなかった。

言えば全てが終わるとっていた。

そして結局、全ては終わった。

教え子たちが証言した。

スコップが見つかった。

の成分が致した。

もう嘘はつけなかった。

は取調げた。

「申し訳ありませんでした」

8の嘘が、そのようやく終わった。

裁判は平成3かれた。

法廷には、美子の母親、かつての教え子たち、学関係者、々が集まった。8を経て、誰もがしずつを取っていた。

は被告席に座り、終始うつむいていた。顔はやつれ、背は丸くなっていた。かつてで堂々と農作業をしていた男の面はほとんどなかった。

検察が事件の経緯を読みげると、傍聴席からすすり泣きが聞こえた。

571012

裏の松林。

贈り物を断られたことへの逆み。

酒に酔った状態での論。

そして、美子の命を奪い、遺体を埋めたこと。

淡々と読みげられる言葉が、法廷の空気をくしていった。

は罪を認めた。

「毎悔していました」

そう言って涙を流した。

「酒で忘れようとしました。でも忘れられませんでした。松本先の顔が、毎晩てきました」

弁護は、田が8罪悪に苦しんでいたこと、最終には自したことを述べた。

広告

しかし、美子の母親はただ黙って聞いていた。

すでに夫をくし、娘を8もの探し続け、ようやく戻ってきたのは遺骨だけだった。田悔の言葉が、彼女のに届いたかどうかは誰にも分からなかった。

判決の、田には懲役15が言い渡された。

裁判の声が法廷に響く。

を垂れた。

法廷の最、田は遺族の方を向き、震える声で言った。

「申し訳ありませんでした。許してほしいとは言えません。でも、本当に申し訳ありませんでした」

美子の母親は何も言わなかった。

ただがり、ゆっくり法廷をていった。

美子は故郷の墓に埋葬された。

8ぶりの帰郷だった。

葬儀には教え子たちも訪れた。かつて51組だった子どもたちは、もう20歳になっていた。黒いを着て、祭壇のわせた。

「先、遅くなってごめんなさい」

誰かがさく呟いた。

の美子は、26歳のままだった。優しく微笑むその顔は、教席を取っていた頃と変わらなかった。

教え子たちは涙を流した。

優しかった先

笑顔で授業をしていた先

自分たちの宿題を遅くまで見てくれた先

そして、あまりにもく命を奪われた先

美子の母親は、葬儀のずっと娘の遺を見つめていた。涙はもう枯れているようだった。

娘の葬儀を終えてから1、美子の母親もくなった。

広告

々は、娘のを追ったようだったと言った。

族も崩れていった。

の息子はれた。父親の罪に耐えられなかった。阪へて、それきりには戻らなかった。

の妻も苦しんだ。

「夫がそんなことをしていたなんて、全くりませんでした」

彼女は所のにそう漏らした。

8緒に暮らしていたのに、何も分からなかった。ただ毎晩酒をむ夫をみ、どうしてこんなになってしまったのかとっていただけだった。

もし本当の理由をっていたら、止められただろうか。

を警察へ連れていくことができただろうか。

しかし、もう遅かった。

佐藤教は潔が証された。

しかし、完全に名誉が回復されたわけではなかった。

々は、なおも彼を見る目を変えきれなかった。なぜ松本美子と2きりで会っていたのか。なぜその事実を隠したのか。その疑問は消えなかった。

佐藤教は結局、職を辞任した。静かに退職し、ることはなくなった。

田教諭も、学を辞めた。

8、彼女は自分を責め続けていた。美子にたくしたこと。最、温かい言葉ひとつかけられなかったこと。話の、表が固まっていた美子をもっと気にかけていればよかったこと。

「私が何かしていれば」

その悔を抱えながらきた。

宿の主である鈴は、美子の部を片付けた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: