"弁当箱の中の復讐" 第1話
「義理の妹? いやいや、汚くてマジ無理だって。介護の寝たきり女だよ? きてる価値ないっしょ」
その声を聞いた瞬、私のはそのに縫い付けられたようにかなくなった。
い壁に囲まれた葬儀の休憩。その横にある喫煙所から、るすぎる女の笑い声が漏れていた。線の匂いと、典返しの袋がこすれる音。くから聞こえる親族のすすり泣き。すべてがく沈んだ空気ので、その声だけが妙に軽かった。
声の主は、男の嫁、美だった。
私はその、理解のある寛容な母でいられるほど、できたではなかった。娘を失ったばかりの母親が、き娘をそんなふうに侮辱されて、静でいられるはずがなかった。
むしろ、激しいりが腹の底から込みげた。
き娘のために、この女のすべてを暴いて、獄に落としてやる。
そうった。
私の名は百子。60歳になった今では、若い頃以に赤の肉がべられるようになった。30代の頃は油物やこってりした肉料理を受けつけなくなり、「もう私は肉をべる齢ではないのかしら」などと寂しくったこともある。
けれど最は違う。
朝からステーキでもべられそうなほど、胃も気持ちも議と元気だった。し健康なのではないかとったこともあるが、65歳からは朝にステーキがいいと言う医師もいるようだ。
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加齢のせいか、し痩せてきたこともあって、私も朝活としてステーキ活をしてみようかしら、などと考えたこともある。
像するだけでも、なかなかいい活だった。
もっとも、今でこそ「しっかりべて体力をつけなければ」と考えるようになったが、50代の頃の私はむしろ逆だった。きのためには太ってはいけない、摂取カロリーは控えめにしなければ、と自分に言い聞かせていた。
そんな50代の頃、夫が界した。
そのことをに、私ので男の久と、その妻の美が同居することになった。
「母さん1じゃ配だろ。俺たちが緒にむよ」
久はそう言ってくれた。
夫が界するまで、私たち夫婦はずっと寝たきりの娘、ゆりえを介護しながら暮らしていた。ゆりえは脳性麻痺で、常活のほとんどに介助が必だった。事も、着替えも、体の向きを変えることも、何もかも誰かのがいる。
介護は、ほぼ付きっきりだった。
うっかり見逃したさな異変、たとえば痰を1つ詰まらせたことだけでも、ゆりえの命を奪いかねない。だから私は、買い物でをるにも、娘のそばに誰もいないという状態を作らないようにしていた。
私がかければ夫が娘を見る。
夫が用事を済ませるは、私が娘のそばにいる。
そうやって、所所を交代制で介護してきた。
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夫がくなった、介護サービスをもっと利用することも考えた。けれど、正直そこまで銭な余裕はなかった。それに、やはり自分の娘だった。できるだけ私ので面倒を見たいといういもあった。
そのを汲んでくれたのが、男の久だった。
「なら俺が母さんと同居して、ゆりえの面倒を見るよ」
その言葉を聞いた、私は胸がくなった。
久は幼い頃、麻痺を持つ妹がいることで同級に笑い者にされ、泣いて帰ってきたことがある。けれど、何があっても久が妹を否定することはなかった。むしろ、いつも精杯きている妹の努力が周囲に伝わらないことを、誰より辛くじていた。
度々からかわれることに腹をてた久が、同級に反論し、喧嘩になったこともある。
「お宅の息子さんが先にをしました。相の親御さんに謝ってください」
そう言われ、私が学に呼びされたもあった。
をしたのだから、謝るしかない。けれど、あのの久の悔し涙をうと、母親としては理尽だとじずにはいられなかった。
そんな優しい男が成し、結婚して庭を持ってもなお、妹へのいを変えずにいてくれた。私はそのことに涙し、同居を諾したのだった。
男の嫁である美は、最初のうちはとても穏やかで、当たりのいい子に見えた。
同居してからも、腰の悪い私を気遣い、洗濯や階段のりりが必な掃除などを率先して伝ってくれた。
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