"消えた花嫁の名札" 第3話
織にとって、美緒は守るべき妹であり、同に、自分がしてきたの結果でもあった。
けれど、美貌も、恋も、結婚相も、病院内の望も、いつしかすべて妹のものになっていた。
美緒は悪気なく笑い、周囲にされていった。織は厳しいが能な先輩護師として評価されていたが、美緒のような軽やかさは持っていなかった。
当選の分配協議が始まった頃から、織の表がしずつ張っていったという証言もあった。
事件当の1999613、曜の朝。
美緒はいつもと同じように目を覚ました。
午630分、いカーテンをける。窓のには湿った曇り空が広がっていた。梅らしいい朝だった。
午740分、美緒は仕事用のいブラウスをえ、アイボリーのカーディガンを羽織った。その胸に、いホルダーのネームプレートをクリップで留めた。
名札には「児科病棟 苅田美緒」と刻まれていた。
洗面台のでコンタクトレンズを入れ、鏡にづいて髪をえる。結婚相から贈られたのネックレスを指先で触れ、財布のの通帳を最に確かめた。
午の勤務を終えた、午は結婚式の招待客リストをまとめるため、しばらく病院に残る予定だった。
美緒は205号の扉に鍵をかけ、階段をりていった。
そのの取りについて、複数の同僚が証言している。
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美緒は午勤務を終えたも病院に残り、休憩やナースステーションで招待状の確認をしていた。夕方には何かの同僚とい会話も交わしている。
けれど、夕方以、美緒がどこへ向かったのかをはっきり見たはいなかった。
再び、614の午に戻る。
加茂は205号の見分を終え、アパートのにた。湿ったが通りを抜け、古い線がわずかに揺れていた。
靴箱のいスニーカー。
洗面台のコンタクトレンズと鏡。
流し台の2分の器。
そして、織の落ち着きすぎた声。
それらはそれぞれさな違にすぎなかった。だが加茂のでは、いくつものさなが底に沈んでいくように、なっていった。
3の617午、織は自分から世田警察署を訪ねてきた。
「正式に参考として供述したいんです。妹を探すために、私にできることはすべてしたいとっています」
協力すぎる態度だった。
取調で織は、613の自分の1を分刻みで再構成した。
「午4から残業組の引き継ぎ会議に入りました。夜030分に病棟を巡回しました。夜110分に302号の患者さんのコールに対応しました。夜2に引き継ぎを終えて病院をて、230分に自宅に着きました。病棟の勤務誌と、廊の防犯カメラのテープにも私が映っているはずです」
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求められていない資料まで、織は差しした。
「これ、昨病院でコピーしてきた勤務誌の写しです」
加茂はそれを受け取りながら、帳の余にくいた。
「完成されすぎている」
織は病棟の副主任への昇を控えていた物だった。輩護師たちのでは、厳しいが公正な先輩として通っていた。院夫主催のバザーにも毎顔をし、域の活にも協力する。
けれどその真面目さの裏には、別のさがあった。
スクラッチくじを実際に売りので削ったのは、自分自だという歪んだ所。
妹を育てたのは自分だというい。
そして、美緒ばかりが幸せをにしていくという。
それらは、まだ証拠にはならなかった。
だが加茂の帳のには、織という名の横に、しずつ赤い線が増えていった。
美緒の失踪から3週も経たない7初め、織は予よりくき始めた。
75、世田の信用組の支を訪れた。窓を担当していた女性職員は、、捜査関係者にこう供述している。
「妹名義になっている2500万円の定期預について、失踪宣告がたらどんな続きが必かと尋ねられました。妹さんが方になってから、まだ3週しか経っていない頃でした」
さらに8初めには、姉妹が緒にんでいた軒茶のアパートを急に片付け始めた。
病院の内部でも、美緒の任の配置問題を名目に、織自が残業のい夜勤帯へ移った。