"神戸の熊と33人の組" 第5話
本全体が定な空気に包まれ、社会のでもさまざまな対が起きていた。
神戸港でも、労働者と会社のできな問題が発する。
港湾労働者たちは待遇改善を求め、会社側と激しく対していた。
話しいだけでは解決できない状況になり、会社側は組へ相談を持ち込んだ。
当、組は神戸の港湾域で定の響力を持っていた。
しかし、そのに登本はけなかった。
代わりに現へ向かったのは、田と田尻吉だった。
そして、その話を聞いた田岡もから現へ向かうことになる。
発、周囲はをじていた。
相側には武器を持った者がいるという報もあったからだ。
「気をつけろ」
そう声をかけられても、田岡は黙って頷くだけだった。
すでに彼のには、仲と共にむ覚悟があった。
しかし、この来事が、田岡のにきな傷を残すことになる。
交渉のは、次第に緊張した空気に包まれていった。
言葉だけの話しいでは済まない雰囲気。
誰もが相のきを警戒していた。
そして、ある瞬。
争いが始まった。
混乱ので、田は命を落とすことになる。
田岡にとって、田は単なる先輩ではなかった。
自分を組の世界へ導いた物。
若い頃から面倒を見てくれた兄貴分だった。
そのを聞いた、田岡のにあるはつだった。
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許せない。
田のをった翌。
神戸のはいつもと変わらないように見えた。
々は仕事へ向かい、港ではがき交っている。
しかし、田岡雄ののでは、激しいりが渦巻いていた。
昨まできていた仲が、もう戻ってこない。
その現実を受け入れることができなかった。
田岡は静かに準備を始めた。
言葉はなかった。
周囲の者も、田岡の表を見れば何を考えているのか分かった。
「でくつもりか」
仲が尋ねた。
田岡はく答えた。
「ああ」
相は危険だった。
数もい。
普通なら慎に考える面だった。
しかし、若き田岡には迷いがなかった。
「田さんがやられたんや」
その言に、すべてのが込められていた。
岡清という男が、その姿を見ていた。
田岡がで向かえば、無事に帰ってこられる保証などない。
しばらく黙った、岡は言った。
「俺もく」
は労働組の本部へ向かった。
所は岸通りにある松ビル。
そこにはくの男たちが集まっていた。
赤い腕章を巻いた者。
険しい表をした者。
入にっただけで、普通のならが止まるような所だった。
しかし、田岡は違った。
ゆっくり階段をりていく。
周囲の線が斉に集まる。
「誰だ」
「組の……」
ざわめきが広がった。
田岡は何も言わず、奥へんだ。
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その姿には迷いがなかった。
やがて、の男のでを止める。
組側の責任者だった。
田岡は相の目を見る。
そしてい声で言った。
「責任者はあんたか」
男が振り向く。
次の瞬。
田岡はいた。
そのにいた者たちは、瞬何が起きたのか理解できなかった。
突然の来事に、周囲が騒然となる。
何もの男がこうとする。
しかし、田岡は歩も引かなかった。
幼い頃から、逃げることをらずにきてきた。
川崎造所を辞めたも。
ゴト部へ入ったも。
宝川と向きったも。
いつも自分の信じるをんできた。
その姿に、周囲は圧倒された。
しかし、岡清は危険をじた。
このまま続けば、ただの復讐では終わらない。
組と労働組。
きな衝突へ発展する能性がある。
「もう分や!」
岡は田岡の腕を掴んだ。
田岡はしばらくかなかった。
りがまだ消えていなかったからだ。
しかし、やがて静かにそのをれた。
事件、田岡は古川松太郎のもとへ向かった。
そして、自分がしたことをすべて話した。
古川は黙って聞いていた。
ることも、責めることもしなかった。
しばらくして、静かに言った。
「しばらく神戸をれろ」
田岡自も分かっていた。
このままでは警察がく。
そして、周囲のにも迷惑がかかる。
田岡は州へを隠すことになった。
その、彼は警察へする。
裁判の結果、懲役1の実刑判決を受け、神戸刑務所へ収監された。