"蜂蜜先生の救命列車" 第9話
今は全国規模でられている、ちょっとした名なんだぞ」
俺はぽかんとしてしまった。
就職に必な類作成のため、松医院へ向かった、ちょうどが退院するだと聞いた。
俺はさな束を買い、病を訪れた。
はベッドので体を起こしていた。
相変わらず細かったが、頬のあたりはし健康にふっくらしていた。
俺を見ると、彼女は笑った。
「蜂蜜先、私、体を酷使する陸はやめて、医師を目指すことにしたの」
「医師を?」
「うん。蜂蜜先みたいに、派な医師になる」
俺は言葉に詰まった。
が俺の背を見ていてくれる。
恥ずかしい真似はできない。
そうくった。
そばにいた恵が、さな菓子折りを差しした。
「蜂蜜先、のことを治療してくださって本当にありがとうございます。今この病院にいらっしゃると聞いて、待っていました」
「いや、そういったものは受け取れません」
「病院のお医者さんや護師さんと分けてべていただければ」
「そういうことでしたら、ありがたく受け取ります」
俺は菓子折りを受け取った。
恵がし笑った。
「は蜂蜜入りの焼き菓子です。蜂蜜先にぴったりでしょう?」
俺は照れくさくなり、をかいた。
がを差しした。
「じゃあ蜂蜜先、またね」
俺はとハイタッチをした。
この「またね」が、っていた以にく来ることになるとは、このの俺ももっていなかった。
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それから2週が経過した。
俺は正式に松医院所属の科医になった。
これまでの活歴から、自然と救急センターにも関わることになったが、そこには1、とんでもない壁がいた。
救急センター部の鷲尾医師である。
鷲尾は初対面から、俺にたい線を向けてきた。
「度、医療のを諦めただろう。戻り医師は信用できない」
俺はをげた。
「そのお言葉、真摯に受け止めて頑張ります」
鷲尾はで笑った。
「かっこつけやがって。し世がちやほやしているからって調子に乗るな」
その頃には、俺も蜂蜜先としての名度がかなりがっていることを実していた。
俺自は、くの僻を渡り歩いていた関係で、SNSにほとんど関がなかった。帰国して初めて、本がいかにネット社会になっているかをいった。
流れる報の速さには、し恐怖すらじていた。
だから俺が自分から蜂蜜先を名乗っているわけではなかったが、なかなか本名の涼介と呼ばれる会はなかった。
そんなあるの朝だった。
勤のため自転をこいでいると、スマホのメッセージアプリが鳴った。
相はだった。
先、まずいかも。お腹痛い。
俺はすぐに返信した。
今どこにいる? すぐく。
指定された所に向かうと、交差点の奥のビルので、が苦しそうにうずくまっていた。
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俺は自転を止め、駆け寄った。
「ちゃん、丈夫か」
「丈夫じゃない……お腹、痛い……」
周囲には何かが集まっていた。
俺は声を張った。
「救急は呼んでくれましたか?」
1の女性がをげた。
「すぐ来るはずです」
ほどなくしてサイレンが聞こえ、救急が到着した。
俺は隊員に軽く状況を説した。
「松医院へ運んでください。俺が勤めている病院です」
だが、ここで問題が起きた。
救急隊員が搬送先確認の話をかけたところ、救急センターから受け入れられないと断られたという。
「そんな馬鹿な」
俺は隊員に言った。
「俺に直接話をさせてください」
話を代わり、鷲尾に抗議した。
「なぜ駄目なんですか。さんは退院したとはいえ、うちの患者です。うちの病院に運ぶのが筋でしょう」
話の向こうで、鷲尾のたい声が返ってきた。
「君は何も分かっていない。こういったことはリスクでしかないんだよ。こんなにしょっちゅう具が悪くなる女を引き受けていたら、ある突然くなるかもしれない」
「患者をリスクで見るんですか」
俺はの腹部を確認しながら、く言った。
「診た限り、急性虫垂炎の能性があります。急な術が必です」
「虫垂炎の緊急術だって?」
鷲尾の声がらかにひるんだ。
「私はそんな術はしたくない」
その瞬、俺ので何かが切れた。
「患者は命を選べない。