"母を捨てた凍夜" 第9話
「施設、佐藤恵子さんから話を聞きました」
吉田の顔が青ざめた。
「あの夜、あなたは恵子さんに何を指示しましたか」
「私は何も……」
「嘘をつかないでください。族から施設費が払えないという連絡があった。それであなたは、はる子さんをにせと指示した」
吉田は黙った。
本は証拠を突きつけた。
恵子の証言。
施設の話記録。
19961215の夜、幸子から話があったことが記録されていた。
「認めますか」
吉田は観したように頷いた。
「はい。族がもう面倒を見られないと。施設費も払えないと。それで私は……」
「あなたは認症の齢者を、真の夜にへした」
「私も困っていたんです。施設の経営が厳しくて、払わない族をいつまでも抱えられない」
本はりを抑えた。
「それでをなせた」
吉田はを垂れた。
次に、本は幸子と武志を呼びした。
2は警察署に来た。幸子は相変わらずたい表で、武志は怯えたように肩を縮めていた。
「あの夜、施設に話をしましたね」
本が尋ねると、幸子は答えた。
「はい。しました」
「何を話しましたか」
「施設費が払えないと。だから義母をしてほしいと」
「してほしい、というのは?」
幸子は線をそらした。
「施設からしてほしいというです」
「真の夜に、認症の齢者を。族が迎えにもかずに」
幸子は何も答えなかった。
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本は厳しい調で言った。
「あなたは分かっていたはずです。そうすればどうなるか」
幸子の顔がわずかにいた。
武志が震える声で言った。
「刑事さん、私は妻が話したことをりませんでした。本当です」
「本当ですか?」
「はい。妻が勝に……」
幸子が武志を睨んだ。
「あなただって、お義母さんのが欲しかったでしょう。私に全部押しつけないで」
2は言い争いを始めた。
本はその様子をめた目で見ていた。
この夫婦には、はる子へのなど、かけらも残っていなかった。
本は、武志と幸子を別々に取り調べることにした。
まず武志から話を聞いた。
武志は取調の子に座ると、俯いたまま何も言わなかった。
「さん、お母様のことをどうっていましたか」
本の質問に、武志はさな声で答えた。
「母は、いいでした」
「いい」
「はい。優しくて、文句も言わなくて」
本は武志の目を見た。
「なのに施設に入れ、面会にもかなかった」
武志は顔をげた。
「刑事さん、私だって母を切にっていました。でも妻が……」
「奥さんのせいにするんですか」
「違います。ただ、庭ので私は……」
武志の声はだんだんさくなっていった。
本はため息をついた。
この男は、母親よりも妻の顔を優先した。
そして母親がんでも、自分を正当化しようとしている。
本は別の質問をした。
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「お父様がくなった、財産はどうなりましたか」
武志は答えた。
「と貯、全て私が相続しました。父の遺言でした」
「お母様には何も?」
「母は、私と緒に暮らせばいいとっていましたから」
「その遺言、本当にお父様がいたものですか?」
武志の顔がこわばった。
「何を言っているんですか」
本は類を机のに置いた。
「跡鑑定を依頼しました。結果はくます」
それは半分、揺さぶりだった。
実際には、鑑定の続きは始まったばかりだった。しかし、武志の反応を見るには分だった。
武志は汗を拭いた。
「鑑定……そんな……」
「何か問題でも?」
武志は黙った。
本は確信した。
この遺言には、何か正がある。
次に、幸子を取り調べた。
幸子は堂々としていた。子に座ると、本を真っすぐ見据えた。
「私は何も悪いことをしていません」
最初にそう言った。
本は静に尋ねた。
「施設に話をした、何を考えていましたか」
「施設費が払えない。だからしてほしいと頼んだだけです」
「真の夜に、認症の齢者をへせばどうなるか分かっていましたね」
幸子は線をそらさなかった。
「それは施設の責任です。私たちはただ、引き取ってほしいと言っただけです」
「引き取るとは言っていませんね。せと言った」
幸子の表がわずかに変わった。
「言葉のあやです」
本は話の記録と、恵子の証言内容を示した。
「施設の職員の証言では、あなたはこう言った。『そっちで適当に処理してください』と」
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