"7年目の地下貯蔵庫" 第10話
7、そのでは毎釜が煮えくり返っていました。濃な豚骨スープの匂いが、を埋め尽くしていました。客たちはその匂いに引かれてを訪れ、いラーメン1杯に1の疲れを癒しました。
しかし、まさにその濃な匂いが、7すべてを覆い隠していたのです。
で何が腐っていくのか、誰にも気づかれないように。
どんなおかしな気配も、濃なスープの匂いのに埋もれてしまったからです。
毎煮えくり返っていた釜が、結局は真実を隠す蓋の役割を果たしていた。
そう考えれば考えるほど、の毛がよだつような話でした。
お客さんたちがラーメンをべていたすぐの暗い貯蔵庫に、1の若い女性が横たわっていたのです。の族は毎そのでを焚き、スープを煮込み、客を迎えました。
濃な匂いはを満たし、々のを麻痺させました。
そうして7が流れました。
匂いは、罪を隠す最も完璧な目隠しだったのです。
は瓦礫の残るの跡を見ろしながら、静かに呟きました。
「匂いが、すべてを隠していたのか」
今、彼が向かうべき所ははっきりしていました。
7真実を胸に秘めてきてきたの族。
そので真っ先に崩れ落ちるのは、もしかすると罪悪に押し潰されてきてきた女将、清子かもしれない。
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は、清子についても独自に調べていました。
を畳んだ、清子はめっきり数が減ったと言われていました。ある所のは、清子がお寺に頻繁に通い、何かを祈る姿を見たと言いました。
また別のは、清子が酒に酔った夜、独り言のように「ごめん、ごめん」と繰り返していたと伝えました。
何が、それほど申し訳なかったのでしょうか。
は、その謝罪の正体をらかにするつもりでした。
清子はその61歳でした。
が取り壊された、郊のさな賃貸アパートで1で暮らしていました。息子の拓也とはれて暮らしていました。
が訪ねた、清子はさな部のにぽつんと座っていました。
7、るく働いていた満作ラーメンの女将の面は、ほとんど残っていませんでした。そこにいたのは、老いて疲れきった女性でした。
部のは暗く、静まり返っていました。壁の片隅にはさな仏壇が置かれ、そのには線の燃えかすが残っていました。
清子は刑事が入ってくるのを見ても、驚きもしませんでした。
むしろ、来るべきものが来たというように、くため息をつきました。
まるで、7このが来るのを待っていたかのようでした。
が葵の名をすと、清子のが細かく震え始めました。
「葵ちゃん……葵ちゃんが、ついに……」
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は落ち着いて言葉を続けました。
遺体が貯蔵庫で発見されたこと。
に鈍器の痕が残っており、殺害されたことがであること。
そして、その貯蔵庫はの族しか入りできなかったこと。
清子はしばらく黙って座っていました。
やがて、静かに俯きました。しわだらけの両で顔を覆いました。
そして、ついに7胸の奥に押し殺していた泣き声が漏れました。
「刑事さん、私はね、1たりともを伸ばして眠ったことはありません。あの子のことをうと、胸が張り裂けそうで」
は急かしませんでした。
ただ静かに待ちました。
7という歳を耐え抜いた1の女性が、自らをくまで。
部のには、しばらくい沈黙だけが流れました。清子の荒い息遣いと、窓のから聞こえるの夜の虫の音だけがありました。
は焦りませんでした。
問い詰めて吐かせた言葉は、真実にならないことを、彼はい刑事活でっていたからです。
しばらくして、清子が震える声であの夜の話を始めました。
その声はく震えていましたが、言言ははっきりしていました。7、数えきれないほど胸ので繰り返してきた話だったからです。
もしかすると彼女は、誰かがこの話を聞いてくれるを、ずっと待っていたのかもしれません。
は帳をき、彼女の言葉を文字も逃すまいとを傾けました。
そのは、20041023の曜でした。
が1番忙しいでした。