みかん小説
本棚

"排水路の腕時計" 第6話

刑事のペンが止まった。

きなバッグ?」

「はい。2がかりで持っていました。蓋をけて、何かを押し込むように見えました。そのりました」

はその、単なる業者かとったという。サービスエリアでは搬入作業もある。らないまっていても、審にいながらもく考えなかった。

だが、健の失踪が報じられた、その景がかられなくなった。

「警察に言うべきだといました。でも、怖かった。自分の記憶にも自信がなかった。今さら言っても遅いとっていました」

の証言をもとに、警察は似顔絵を作成した。

1175cm男性。

もう1は170cmほどの、痩せた男。

105、2の似顔絵が参考として公された。

すると、数の報が寄せられた。

だが、決定なものはなかった。

1012、匿名の話が入った。

「1998頃、青サービスエリアくの集落で、1の男が突然姿を消した」

警察が調べた結果、という当45歳の男が浮した。

は青サービスエリアから3kmほどれたんでいた。199811頃からになっており、科もあった。似顔絵の痩せた男に似ているという証言もあった。

しかし、事件との直接の証拠はなかった。記録も古く、くが失われていた。

警察は参考として報提供を呼びかけた。

広告

もう1の男は特定されず、捜査は再びき詰まった。

似顔絵の公から1ヶ

201311旬になっても、方は依然としてだった。15、彼は記録ほとんどしないになっていた。

警察はの過を再調査した。

の話によると、は1998頃から借で苦しみ、10になると夜のが増えていた。11初め、突然姿を消した。所していたのは黒いセダンで、登録は12に抹消されていた。

さらに、10に青サービスエリア付へ何度も来ていたという証言もた。くのガソリンスタンドの員が、らしき男を覚えていた。

警察は仮説をてた。

銭目で佐藤健を襲い、所持品を排に隠して逃したのではないか。

だが、証拠は分ではなかった。

の接点も確認されなかった。DNAもとは致しなかった。

11末、警察は体遺棄容疑で特定し、全国に指名配した。

通報は300件以寄せられた。

12野ので似た男の目撃報があった。しかし警察が到着したには、すでに姿は消えていた。

20141

捜査は再びき詰まった。

容疑者が見つからなければ、展はなかった。

そして20142

が自首した。

15の逃の末、彼は警察署に現れた。

取調は痩せた頬を震わせながら、こう主張した。

「自分は殺していない。

広告

遺体を隠すのを伝っただけだ」

19981017に頼まれて荷物を運んだ。その荷物が遺体だったとから分かったという。

しかし、はそのの名かさなかった。

警察は、その供述を虚偽と判断した。

事件は、ようやく裁判へむことになった。

20146、第1回公判がかれた。

検察は、が佐藤健を殺害し、15したと主張した。銭目。サービスエリアで偶然健を狙い、何らかの方法でトイレ付から連れした。その、所持品を排に隠したという筋きだった。

検察は無期懲役を求刑した。

方、弁護側は全面に争った。

「殺害の直接証拠はしません。遺体も見つかっていません。状況証拠だけで殺を認定することはできません」

法廷には恵子もいた。

娘も息子も傍聴席に座っていた。2はもうになっていた。娘は35歳、息子は31歳。けれど、父の失踪のからが止まったままのようだった。

として、元職員の田廷した。

は緊張した表で証言台にった。

「男2が何かを排に入れるのを見ました」

検察が尋ねた。

「それは遺体だったといますか」

は唇を噛んだ。

「分かりません。きなバッグでした。ただ、普通の荷物には見えませんでした」

弁護側はそこを突いた。

「あなたはを見ていないのですね」

「はい」

「15の記憶です。見違いの能性はありませんか」

はしばらく黙り、うつむいた。

「絶対とは言えません。でも、ずっと忘れられませんでした」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: