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"黒いゴミ袋に詰まった十五年" 第11話

噌汁のいと文句を言われていたのもただ汁の値段を切り詰めていたからに過ぎない。

私がこのからいなくなったことでそのギリギリの活の均衡は瞬で崩れったに違いない。

裏庭でよしえが慌てて燃やしていたのは私の荷物などではなかったのだ。

に見られれば都の悪い自分自の借や無駄遣いの証拠となる類の束だったのだ。

事を全て私に押し付けていた義母は計のごまかしを隠すための隠れ蓑として私を利用していた。

そのの夕方私のスマートフォンがうるさい音をてて震えた。

画面には健の名が表示されていた。

私はすぐにはず、呼びし音が途切れて留守番話に切り替わるのをじっと待った。

数分、録音されたメッセージを再するとひどく焦った夫の声がホテルの部に響いた。

「おい佐子、の通帳と実印、おがどこかに隠したんじゃないだろうな。引き落としができないって。カード会社から催促の話が何件もかかってきてるんだよ。」

彼の声にはいつもの私を見すような余裕はすっかり消えていた。

「母さんはおが腹いせに勝に持ちしたって言ってるぞ。話にろ。」

私はそのメッセージを聞き終え、たい布団に伏せて静かに目を閉じた。

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義母は自分の使い込みを全て私のせいにしようとしているのだ。

嫁がのおを盗んで逃げたという筋きを作り、息子を騙そうとしている。

私が信じていたくて円満な族というはすでに内側から無惨に崩れ落ちていた。

彼らは互いの過ちを突きつけ、互いに責任を押し付けい、沼ので溺れかけている。

私をから追いしたことで彼らは自分たちの首を絞める結果を招いてしまったのだ。

私は彼らのれな自滅をただ静かにめた目で見つめるだけの所までたどり着いていた。

だが正尾のノートにはまだ私が気づいていないもうつの真実が隠されていた。

その夜弁護士のから届いた通の連絡が私が信じていたもうつの事実を静かに覆すことになる。

弁護士のから送られてきたのはいメッセージとつの音声データだった。

「正尾さんが今の夕方、自宅で密かに録音されたものです。」

その文を読んだ私のはスマートフォンを持ったまま激しく震えていた。

私はベッドの端に座り直し、画面の再ボタンをゆっくりと押した。

さな子音の、スピーカーから流れてきたのはにこびりついてれない義母と夫の声だった。

「やっとていったわね。」

よしえの堵したようなるい声が静かなホテルの部に響いた。

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「あのがいるとの空気がくて息が詰まりそうだったのよ。」

それに答える健の声もひどくれやかでしたような響きを持っていた。

「ああ。これで俺もようやくしい活が始められるよ。親父の介護だって母さんと俺ので何とかなるだろう。」

彼らは私がこのからいなくなったことをからんでいた。

15 文句も言わずに事と介護に尽くしてきた私を追いしたというのに、その声には私の配する気配や罪悪など微じられなかった。

自分たちのい通りに邪魔者を排除できたと完全に勝利を確信しているのだ。

音声のでよしえがふとしたように正尾に話しかけた。

「それにしてもあなたもたいことをするわね。最にあの嫁にわざわざゴミ袋なんて持たせて追いすなんて。」

よしえのあざけるような笑いがたい刃のように私の胸をえぐろうとする。

しかし録音された音声のにはしばらくい沈黙だけが流れていた。

やがて正尾のく静かだっきりとした声が録音に拾われた。

「あれはゴミじゃない。」

の会話が瞬止まり、困惑した声が返ってきた。

「ええ、何を言っているのよ。」

正尾は決して声を荒げることなく、確かなさを持って言い放った。

「15 並みに扱わなかっただ。

だが決してゴミではない。」

よしえがし苛ったような問い詰める声が聞こえる。

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