"黒いゴミ袋に詰まった十五年" 第8話
「野正尾さんからお話は以から伺っております」。
と名乗ったその弁護士は私の名を聞いて全く驚かなかった。
義父が私のために事にいてくれていたという事実に胸の奥がくなる。
今すぐにでも相談したいと伝えると、彼は午のを空けてくれた。
私は支度をえ、あの黒いゴミ袋のを古い袋に丁寧に移し替えた。
ゆり法律事務所は駅からつ先の古い雑居ビルのにあった。
さな応接に通されると髪混じりの弁護士が静かにをげた。
私は持ってきた袋からノート、レシート、反証のメモを取りした。
そして義母と夫が作りげていたあの恐ろしいの案も机のに並べた。
弁護士はそれらをつつ丁寧に確認し、さく目をつむいた。
「やはりよしえさんと健さんはこの類をめるつもりだったのですね」。
彼はそう言うと鍵のかかった引きしからつの茶い封筒を取りした。
それは私が正尾から受け取ったものと全く同じ封筒だった。
「正尾さんからお預かりしているものが私の元にもあります。」
からてきたのは健の古い預通帳のコピーだった。
そこには私が全くらない座への自然な送記録が毎のように並んでいた。
「ご主は数から別の女性の活費をずっと払い続けています。
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」
弁護士のからた言葉に私は自分のを疑い、息をんだ。
浮気は最のことではなく、私がこので都のいい政婦として使われていた頃から始まっていたのだ。
その送記録の額は毎 5 万円ずつと決まっていた。
15 私が自分のを買うことすら慮して切り詰めていた計の裏でそんながいていたのだ。
スーパーの特売を回って費を浮かせた私の苦労は全て別の女性の活を潤すためのものだった。
義母のよしえも息子のその裏切りをずっとからっていたに違いない。
だからこそあの襖の奥で私をただの労働力として使い続ける相談をしていたのだ。
息子がで作った女に貢ぐおを私の無料の介護と事で穴埋めしていたことになる。
世体を気にして婚を先延ばしにし、私を都よく利用し尽くしたのだ。
りよりも先にそのあまりにも計算い悪に対して吐き気がした。
弁護士は私の青ざめた表を静かに見つめたで言葉を続けた。
「正尾さんはご自分名義の財産が全てよしえさんに握られていることを憂いていました。」
正尾が数に脳梗塞で倒れた、義母は実印も通帳も全て管理するようになったのだ。
正尾が私を守るために弁護士を頼る費用も昔からの個な友にをげて借りたものだったという。
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「正尾さんは佐子さんにだけは元のを取り戻して欲しいとくおっしゃっていました。」
私は膝ので両をく握りしめ、何度も瞬きをして涙をこらえた。
私がこのまま泣き寝入りしてあの嘘のに判を押せば、あの親子は私を完全に無文で放りすだろう。
そして何わぬ顔でしい女をあのに迎え入れ、平穏な族を演じるに違いない。
そんな勝な結末を私は絶対に許すわけにはいかなかった。
弁護士の机に置かれた類のが彼らの嘘と裏切りのさを物語っている。
「まずは相方が提示しようとしているを無効にすることから始めましょう。」
弁護士の力い言葉に私はさく頷いて同した。
私はもうあのの従順なだけの嫁ではない。
これからは私自の失われた尊厳を取り戻すための続きを淡々とめるだけだ。
義父が集めてくれた証拠と弁護士というい方が今ここにある。
弁護士と今の具体な打ちわせを終えて事務所をただった。
私の鞄のでスマートフォンがく震えて着信をらせた。
画面を見るとそこには健の名が表示されていた。
私はしだけ迷ったが通話ボタンを押して話をに当てた。
「おい、昨の夜から親父の薬が見当たらないんだけど、おどこに隠したんだ?」
話の夫の声は相変わらず私を見すような響きだった。
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