"黒いゴミ袋に詰まった十五年" 第7話
私は自分が持っている袋をそのの番に放り投げようと腕をくげた。
その袋の底で乾いたさな音がした。
私の腕は空で止まり、そのままゆっくりとろされた。
正尾が私にこの袋を渡したのあのしだけ震えていたが脳裏に蘇ったのだ。
「捨ててからけ」と言いながらも私の目を見られなかった正尾の静かな横顔。
彼は私にあの恐ろしい証拠だけを見せたかったのだろうか。
いや、もし私を絶望させるのが目ならわざわざ私の常をノートにき留めたりはしない。
あの自由なで欠けた湯呑みをあんなに事に聞で包んだりするはずがないのだ。
私は集積所のたいフェンスに寄りかかり、もう度袋の結び目をほどいた。
茶い封筒の底にまだ何かが残っている触があった。
指先に触れたのはさな名刺のようない切れだった。
私はそれを取りし、くの灯のにすかして目を凝らした。
そこには「ゆり法律事務所」という文字と弁護士の名がはっきりと印刷されていた。
名刺の裏にはやはり正尾の震えた字でいメモがかれていた。
「よしえと健はこの先に相談してある」。
私はわず息をみ、名刺を持ったまま周囲を見回した。
夜のたい空気ので私の臓が激しく打ち始めていた。
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義父はただ黙って私の遇を見ていたわけではなかったのだ。
あのが私を落とし入れようとしていることに気づき、密かにを起こしていた。
自分自の体も自由なで私を守るための準備をめてくれていたのだ。
私は急いで封筒の奥に折りたたまれていた別のい切れを取りした。
それは義母と夫が作りげた嘘のに対する細かな反証のメモだった。
私が事を放棄したとされるには親戚の集まりで朝から働いていた記録がかれている。
暴言を吐いたとされた付には私がくのスーパーまで買い物にっていたレシートが貼られていた。
彼らの嘘を完璧に打ち砕くための証拠がそこに全て揃っていたのだ。
私の目からい涙がポロポロとこぼれ落ちた。
しみの涙でも惨めさから来る涙でもなかった。
私というが 15 こので確かにきていたことを証してくれるがいた。
その事実が凍りついていた私のを内側から静かに溶かし始めていた。
私は泣きながら黒いゴミ袋のをもう度しっかりと結び直した。
そしてその袋をまるで自分の切な分のように胸のにく抱きしめた。
もう集積所にこれを捨てる気は全くなくなっていた。
私は顔をげたいの吹くを駅に向かって力く歩き始めた。
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私はで戦うのではない。
この袋のにある真実と正尾の残してくれた証拠が私と共にある。
この私のでさな、しかし決して消えることのない静かな炎が灯った。
翌朝私はあの名刺にかれた番号へ話をかけることになる。
翌朝私は駅のいビジネスホテルで目を覚ました。
部の窓からは見慣れない町のさな交差点が見える。
部の壁はし黄ばんでいて、廊からの客の音がかすかに聞こえた。
でもその音さえも私にとっては自由の証のようにじられた。
毎朝く起きる習慣は体に染みついており、今も暗いうちに目が覚めてしまったけれど、慌てて台所へ向かう必も義母の朝を作る必もないのだ。
隣のベッドのにはあの黒いゴミ袋から取りしたノートと類が広げられている。
私は晩義父の正尾がき残してくれた記録を何度も読み返していた。
涙は枯れ果て、代わりに私ので静かな決が固まりつつあった。
私はゆり法律事務所と印刷されたさな名刺をに取った。
裏にかれた震える文字を指でなぞり、ゆっくりと呼吸をする。
午 9 になるのを待って、私は自分のスマートフォンからその番号へ話をかけた。
画面に番号を打ち込む指先はしだけたくなっていた。
数回の呼びし音の、落ち着いた女性の声が話にた。
私が野佐子と名乗ると保留音のに男性の声に変わった。
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