"十三年目の灯火" 第4話
作業は何も続いた。
そしてが番の段まで崩された、クレーンを操っていた作業員が、ふとそのを止めた。
廃のの番底。
いのに半分ほどへ埋もれるようにして、1台の古いセダンが現れた。
それはの廃とはらかに様子が違っていた。
に何台ものを積みげられていたのだろう。根はくずのように押し潰されていた。普通に解体されたとは、潰れ方がどこか違っていた。
作業員は胸騒ぎを覚え、クレーンをりた。
軍をはめたで、と錆にまみれた体をそっと拭った。
すると側面に、かろうじて文字の跡が残っていた。
読みづらくなった会社名。
そして、根のに取り付けられていたはずの灯の台の跡。
「これ、タクシーやないか」
作業員はわず呟いた。
あせた体にく浮かびがっていたのは、「港交通」という、もう町から消えてしまった古いタクシー会社の名だった。
なぜ、こんな廃の番底に、潰れたタクシーが埋まっているのか。
作業員は内を覗き込み、そので凍りついた。
すぐに警察へ通報された。
駆けつけた警察が、慎に潰れた内を調べていく。
やがて、変わり果てたのから、2分の骨化した遺体が見つかった。
らせは、わぬ形で1の老のもとへ届いた。
定、静かな余を送っていた元刑事、久保正彦である。
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「港交通のタクシーが、の廃からてきたそうです」
かつての輩から話でそう聞かされた、久保のはわずかに震えた。
あのの夜の事件。
い、胸の底でくすぶり続けていた種が、にわかに息を吹き返した。
久保は居てもってもいられず、その現へ向かった。
しく事件を担当することになったのは、若い刑事の仁田だった。まだ30歳そこそこの、真面目そうな青である。
13の事件のことなど、もちろん直接はらない。久保にとっては、まるで孫のような世代だった。
「あなたが当、この件を担当されていた久保さんですね」
仁田は髪の増えた久保にくをげた。
久保は潰れたタクシーを見つめながら、静かにうなずいた。
「ええ。もう随分昔のことですがね」
そして、く呟いた。
「ようやく見つかったか。ようやくな」
ここから、13ぶりの捜査がきした。
まずわれたのは、見つかった2の遺体の元確認だった。
いが経ち、骨だけになった遺体である。わずかに残されたがかりをもとに、慎に調べがめられた。
そして運転席側にあった1の遺体について、元がはっきりした。
田茂。
あのの夜、客を乗せたまま消えた港交通の運転、そのだった。
らせを受けた健は、しばらく言葉がなかった。
母の佳代子は、そのに崩れるように座り込んだ。
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13。
い空の果てに、父は、夫は、ようやく見つかったのだった。
「お父さん……」
健は拳を握り締め、声を絞りした。
「ずっと、ずっと待っとったんやで」
それはしみであり、同に堵にも似ただった。
なくとも、方も分からぬままのどこかでさまよわせ続けてきた父が、ようやくこの世に戻ってきてくれた。
そうえたからだった。
けれど、そのさな堵はすぐにたな謎へ塗り替えられた。
遺体は2分あった。
運転席側の田のほかに、部座席側にも、もう1の遺体があった。
その元は、すぐには分からなかった。
仁田は潰れたタクシーので、久保に言った。
「もう1は、体誰なんでしょう」
久保は腕を組み、じっと考え込んだ。
田はあの夜、誰を乗せていたのか。
そして、もっときな謎があった。
ただの事故でに転落したというのなら、まだ分かる。
けれど、このタクシーは里れた廃の番底に、何台もの廃の敷きになって、まるで誰かのでわざと隠されたかのように埋められていた。
なぜ2は、こんな所にごと葬られていたのか。
久保は懐から古い帳を取りした。
13にき留めた。
「ライトを消した黒っぽい」
その文字を、久保は静かに見つめ直した。
久保と仁田は、2つの疑問を机のに並べるようにして向きった。
1つは、なぜあのタクシーが事故ではなく、わざわざ隠されていたのか。
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