みかん小説
本棚

"眠らされた妻の録音" 第9話

むしろ、本当の恐怖はこれから始まるのだとじました。

警察署で追加の事聴取を受けた、武田刑事が私を別へ呼びました。

彼は30代半ばくらいの落ち着いた男性で、いつも礼儀正しく、余計なを見せないでした。

希さん、現この事件は、定以に複雑に絡みっています」

彼は私のの入ったコップを置きました。

「国分事にも、関与した物を広範囲に調べています」

「夫のことですか」

武田刑事はし沈黙しました。

「まだ断定はできません」

私は苦く笑いました。

体分かりました」

武田刑事はファイルから数枚の写真を取りしました。

「義実で見らぬ男性に会いましたか」

「田徹也というと、関というです」

「顔を覚えていますか」

「はい」

私は並べられた写真のから、田徹也の顔を指さしました。

「このです」

武田刑事の目が鋭くなりました。

「確かですか」

「確かです」

彼は写真をしまいながら言いました。

「田徹也。過に恐と脅迫の歴があります」

たくなりました。

彼らはただ、産のために私を脅そうとしていたのではありません。

もっとく、もっと危険な犯罪のに、私は引きずり込まれていたのです。

警察署を、武田刑事が言いました。

「当分の、1しないでください」

私は彼を見ました。

広告

「あのたちが、私に何かをする能性があるということですか」

彼は確には答えませんでした。

その沈黙が、何よりも怖かったです。

その夜、私は実へ帰りました。

玄関に入ると、母が私をく抱きしめ、泣き崩れました。父はリビングで黙って煙を吸っていましたが、私を見るとすぐにがりました。

「あいつ、おげたりはしなかったのか」

私は首を横に振りました。

「してない」

父はしばらく俯いていました。

「おがどうしてもあの男と結婚すると言ったから、あのはどうもうさん臭いとっていた」

「お父さん、何かっていたの?」

父はいため息をつきました。

「義父の国分を何度か見かけたことがある。ともっていない目だった」

私は唇を噛みました。

い返せば、違はたくさんありました。

結婚して3、優斗は度も料の管理を私に任せませんでした。義実の財産や名義の話も、徹底に私から切りされていました。義父は私に親切に見えましたが、それはではなく、観察者が対象を見ているような距でした。

私だけが、それを現代で干渉しない族関係だと勘違いしていたのです。

その夜、昔の自分の部で横になっていると、母がベランダで泣いている声が聞こえました。

ると、父が母の隣に座っていました。

広告

母は私のを握り、赤く腫れた目で言いました。

希、引っ越しましょう。お母さん、怖いの」

丈夫。もう警察がいてくれているから」

ではそう言いましたが、私自できていませんでした。

1く、スマートフォンにらないアドレスからメールが届きました。

添付されていたのは、画ファイル1つだけでした。

臓が激しく鳴りました。

画を再すると、画面はし揺れていました。所は義実の2階の廊でした。

優斗と田徹也がって、言い争っていました。

優斗の声がはっきり聞こえました。

「この件が終わったら、すぐにここからていけ」

で笑いました。

「どうした。びびってんのか」

「ふざけるな。もう遅いんだよ」

優斗が拳を握っていました。

「父さんがあそこまで無茶をするなんてわなかった」

がライターで煙をつけながら言いました。

「じゃあ、おを受け取ったはどんなつもりだったんだ?」

私は固まりました。

は続けました。

区のマンション1件につき、おに3億円ずつ入るんだろ。今さらいい子ぶるなよ」

顔から血の気が引きました。

優斗は父親に逆らえなかっただけではありませんでした。

を受け取っていたのです。

共犯者だったのです。

画の最に、田の声が聞こえました。

「それに、おの女が初めてじゃないだろう」

映像が終わりました。

私はけませんでした。

涙すらませんでした。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: