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"録音機が暴いた義実家" 第24話

弓の顔は青かったが、その瞳からは、これまで何ヶも彼女を縛りつけていた見えない恐怖の鎖が完全に断ち切られたような、静かな堵のが宿っていた。 「たかし君……」

かすれた声で私を呼んだ。 「もう丈夫だ、弓。全部終わったよ。あいつらが君にづくことは、もう度とない」

私がそう言って弓の肩を抱き寄せると、弓は私の胸に顔を埋め、声をげて泣き始めた。それは絶望の涙ではない。すべての苦しみから解放され、ようやく取り戻した、自分自の涙だった。

私は弓の背を優しく撫でながら、父と親戚たちに向かってげた。 「親父、おじさん。祝いの席をこんな形にしてしまって、本当に申し訳なかった」

すると、父はフラフラとがり、私と弓のた。そしてに両をつき、々と座をしたのだ。 「謝るのは私の方だ。たかし、ゆみさん……本当にすまなかった。私の退職で、ゆみさんから奪われたおと慰謝料は、必ず全額振り込む。もすぐに売る。だから、どうかこれ以は私を気にせず、3幸せになってくれ」

70歳老いた父の、痛ましいほどの謝罪。私はそれ以何も言わず、ただ静かに頷いて、弓のを引いてにした。

しかし、これで完全に幕がりたわけではなかった。すべてを失い、警察の取り調べに放り込まれた母と妹には、これから現実という名の、像を絶する過酷な獄の活が待っていたのだ。

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あの混乱の宴から、1週が経過した。 「たかしさん、お母様と妹さんですが、取り調べで完全に責任を押し付けい、見苦しいの罵りいを続けているそうです」

スマートフォンから聞こえる伊藤弁護士の声は、どこか呆れたような、疲れた響きを含んでいた。私はしいマンションのベランダから、見慣れぬの景を眺めながら、「そうですか」とく答えた。

警察の調べに対し、母のサチ子は「私は止めたのに、娘の美穂がゆみさんからおを取ろうと言いした」と主張し、娘の美穂は「全部お母さんの命令だった。私は逆らえなかっただけ」と泣き喚いているらしい。弓をいじめるだけは固く結びついていた親子の絆など、最初からしなかったのだ。

のためなら平気で実の娘を、あるいは実の母親を売りばす。それが彼女たちの本当の姿だった。 「示談の申し入れなどはありません。そもそも、おには弁護士を雇うおすら残っていませんからね。暴未遂と恐の容疑で、このまま起訴される能性がいでしょう」

「わかりました、伊藤先。最までよろしくお願いします」

話を切り、私はさく息を吐いた。この1週に、状況は劇いていた。

父の雄は料亭での約束通り、古希の祝いの翌には私の座にきっちり600万円を振り込んできた。

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弓から脅し取られた300万円の返還と、慰謝料としての300万円だ。父が働いてにした切な退職部だった。

そして父はすぐに婚届に判を押し、弁護士を通じて正式な婚調続きを始めた。同に、あの派な実はすでにの査定が入って売却の続きがめられ、父は今、実て、隣町にある賃5万円の古くてさなアパートで1暮らしを始めている。 「たかし、振り込みは確認できたか?」

、父からかかってきた話の声は、ひどく老け込んで聞こえた。 「ああ、確認した。親父、本当にたんだな」 「ああ、狭い部だが、あの忌まわしい記憶が染みついたにいるより、ずっとらぐよ。たかし、ゆみさんにろしく伝えてくれ。そして、もう度と私には連絡してこなくていい。おたちは、自分たちの族だけを切にしていきなさい」

それが父との最の会話になった。父なりの、私たちへの精杯の謝罪であり、けじめだったのだろう。私は「親父も元気でな」と返し、話を切った。血の繋がった父親との永の別れだったが、議と涙はなかった。

そのの午、私は半休を取り、1で警察署へと向かった。母と妹に、最の現実を突きつけるためだ。たく殺景な面会のパイプ子に座って待っていると、分いアクリル板の向こう側のドアがき、女性警察官に付き添われて1の老婆が入ってきた。

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