みかん小説
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"録音機が暴いた義実家" 第18話

私が目をわせると、修おじさんはゆっくりと1度だけ頷いた。 (今はまだ泳がせておけ。あいつらが、完全に調子に乗るまで待つんだ)

その志が込められた瞳に、私はさく頷き返し、能面のようにを消して自分の席についた。

宴会が始まると、その景はまさに獄絵図だった。

弓は自分の席に座ることも許されず、母と美穂の命令で、親戚たちへのビールのお酌、空いた皿の片付け、さらにさゆりの座布団の交換までさせられていた。弓がしでも取ると、母は容赦なく親戚全員に聞こえる声で嫌を放った。 「本当に、うちの嫁は気が利かないのよ。まれがまれだから、常識を1から教えてあげなきゃいけなくて、私も苦労しているの。ほら、ゆみさん、さゆりさんのグラスが空いてるじゃない。さゆりさんみたいに、派なご両親に育てられたお嬢さんを見習いなさいな」

親の顔が見てみたい。親なし子だから――直接な言葉こそ使わないものの、弓が孤児であるという最の傷を、親戚たちのでわざと抉るような、悪に満ちた言葉の刃。弓は顔を真っにしながら、「申し訳ありません」と何度もげていた。

親戚たちのには、あまりの仕打ちに眉をひそめ、「さち子さん、今はめでたい席なんだから、お嫁さんにも座らせてべさせてあげなさいよ」

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と声をかけるものもいた。しかし母は、 「いいえ、これは男の嫁としての『修』なんです。この子の将来をって、あえて厳しく指導しているんですよ」 と、まるで自分が素らしい教育者であるかのように、胸を張って答えるのだ。

指導――その言葉を聞いた瞬、私の胸ポケットに入っている録音が、を持ったようにじられた。裏で数百万円ものを脅し取り、寄虫呼ばわりしておきながら、表では「の鞭」を装う。この女たちの面の皮は、体何枚なっているのだろうか。

やがて宴もたけなわとなり、主役である父の雄が嫌で挨拶を終えたのことだ。酒が入り、顔を赤くした母が突然がり、パンパンとを叩いて親戚たちの注目を集めた。 「皆様、本は夫の古希の祝いにお集まりいただき、本当にありがとうございます」

母が満面の笑みでそう言うと、隣に座っていた妹の美穂とさゆりもがった。 「実は今、親戚の皆様にお集まりいただいたこの席で、どうしてもご報告しておきたい切な話があるのです」

を打ったように静まり返り、母は部の隅でエプロン姿のままち尽くしている弓を、酷に見すような目で見つめた。 「皆様もごの通り、男の嫁であるゆみさんは、どうしてもわず、私も指導に限界をじておりました。

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そこで、々ゆみさんには、それぞれのを歩んでもらおうと考えております」

親戚たちから「えっ!?」という驚きの声ががり、どよめきが起こった。母はそれを制するようにげ、今度は隣のさゆりの肩を抱き寄せた。 「そして、たかしのこれからのを支えてくれるしい伴侶として、こちらにいらっしゃる町内会のお嬢様、さゆりさんをお迎えするお話が、すでにんでおりますの」

狂気だ。息子の私に何の相談もなく、親戚たちので勝婚と再婚を宣言したのだ。あまりの異常な展に、親戚たちは言葉を失い、顔を見わせている。 「ねえ、ゆみさん?」 母は勝ち誇ったような、底の悪い笑みを浮かべて弓を指差した。 「今、私に言われた『あれ』、ちゃんと持ってきたわよね? 200万の現と、あなたがサインしたあの『』。まさか忘れたなんて言わないわよね」

。親権と慰謝料を脅し取ろうとする、あの悪魔の契約の話まで、親族の面で堂々と持ちしたのだ。母は、親戚たちを方につければ、私が逆らえなくなると本気で信じ込んでいるらしい。

弓の肩がガタガタと震え、目から粒の涙がこぼれ落ちそうになっていた。これ以の辱めはさせない。私はテーブルのに置かれたビールのグラスを静かに置き、ゆっくりとがった。

「たかし、どうしたの?」と、母が議そうな顔で私を見る。

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