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"録音機が暴いた義実家" 第11話

よろしくお願いします」

私はげ、事務所をにした。ると、が眩しく目を刺した。ここから1ヶ、私は何もらない「親いの男」という仮面を被り続けなければならない。母と妹が調子に乗り、妻からを絞り取ろうとする姿を、笑顔で見届けて見ぬふりをしなければならないのだ。それは像を絶する苦痛だろう。しかし、弓が耐えてきた獄に比べれば、どうということはない。

その夜、帰宅途で、私のスマートフォンがブルっと震えた。妹の美穂からのLINEだった。

『お兄ちゃん、お疲れ様! お父さんの古希祝いの料亭、お義姉さんが予約してくれたみたい。さすがお兄ちゃんの奥さんね! あ、そうそう、私がそのに着ていくドレス代の5万円、お義姉さんが「私がします」って言ってくれてたんだけど、まだ振り込まれてないの。までに振り込むように、お兄ちゃんからも言っておいてね!』

画面に並んだ、吐き気を催すような絵文字の数々。私はそのメッセージを見つめながら、暗い窓に映る自分の顔が、ひどく酷に歪んでいくのをじていた。 (ああ、分かったよ、美穂、母さん。おたちが望む通り、最の祝いの席を用してやろう。だが、その宴の最に支払わされるのは弓のではない。おたち自の、その醜いそのものだ)

反撃のは1ヶ

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私と弓の、静かで酷なカウントダウンがついに始まった。

弓から脅し取られた、300万円。彼女が独代から、文字通りにして働き、「将来の子供のために」と切に貯めていたそのおは、体どこへ消えたのか。

伊藤弁護士の事務所を訪れた翌の昼休み、私は会社のパソコンをき、ある調査を始めていた。母と妹が弓から脅し取ったおを、体何に使っているのか、その確固たる証拠を掴むためだ。

私は妹の美穂が以、「友達とランチにったの」と見せてくれたスマートフォンの画面をし、彼女が使っているSNSを検索した。名のイニシャルと、実くにあるカフェの名、そして誕などのキーワードを組みわせると、いのほかあっさりと美穂のアカウントは特定できた。

画面に表示された投稿の数々を見て、私は言葉を失った。そこには、私の全くらない、羽振りの良すぎる妹と母の姿が次々と並んでいたのだ。

『今はママと駅級ホテルでアフタヌーンティー! 11万円のコースだけど、たまには親孝しないとね!』

『ずっと欲しかったブランドの作バッグ、ついにゲット! 5万円もしたけど、自分へのご褒美!』

『来のママの温泉旅、私が全額してあげることにした! 族孝する私って偉すぎない?(笑)』

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投稿されている写真の付を、弓の預通帳の引きと細かく照らしわせてみる。5万円が引きされた翌作バッグの投稿、8万円が引きされた週末に級旅館での温泉旅の写真。そして、30万円というが引きされたボーナスの直には、美穂が友の結婚式に着ていくと言っていた、あの級なドレスの自撮り写真がアップされていた。

そして極めつけは、あるの投稿に添えられたハッシュタグと、い文章だった。 『今もうちの便利な打ち槌ちゃんからお遣いゲット! 謝して使わせていただきます! #打ち槌』

打ち槌――それは違いなく、弓のことだ。

母と妹は、自分たちの見栄と物欲を満たすためだけに、孤児である弓を脅し、彼女の血と涙の結晶であるおを巻きげていたのだ。「を継ぐための仕度」などという義名分は、ただの詭弁だった。私はパソコンの画面を見つめたまま、奥歯が砕けそうなくらいく噛みしめた。

弓は結婚してから、自分のなどほとんど買っていない。になれば、独代から着ている毛玉のついた古いコートを事に羽織っていた。私が「しいコートを買おうよ、俺のボーナスがたし」と言っても、弓は嬉しそうに首を振り、微笑んでいたのだ。 「ううん、いいの。

これはまだ着られるし、私がおを使うより、ナナちゃんがに入るのために貯しておきたいから」

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