みかん小説
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"録音機が暴いた義実家" 第9話

私はスマート所の画面を見つめながら、静かに、しかし激しいりが全の血液を沸騰させていくのをじていた。

ただ鳴り込んで実と縁を切るだけでは、あまりにもぬるい。妻の尊厳を踏みにじり、事な貯を脅し取ったあのに、自分たちがどれほど愚かな罪を犯したのかを、骨の髄までらせてやらなければならない。

私は弓のをしっかりと握り返し、静かな声で言った。 「弓、しだけをくれ。俺が必ず、あいつらにそれ相応の報いを受けさせる。君の奪われたもの、全部取り返して見せるから」

は血の繋がった母親と妹だ。しかし、私のには、すでに辺のためらいも残っていなかった。ここから、私と弓の、静かで酷な反撃の準備が始まるのだ。

翌朝、目を覚ますと、1階の台所からトントンという軽な包丁の音が聞こえてきた。さらにかすかではあるが、のようなるい声も聞こえる。

私はベッドから起きがり、そっと階段をりてリビングの様子を覗き込んだ。そこには、いつものようにナナのお弁当を作っている弓の姿があった。

昨夜、あれほど声をげて泣き崩れたというのに、今の彼女の横顔には、これまでずっと張り付いていたような暗いがない。もちろん、1の傷が癒えるはずはない。

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しかし、夫である私にすべてを打ちけ、「もう1で戦わなくていい」とったことで、彼女のしだけ、本当にしだけ平穏が戻ったのだろう。 「おはよう、弓」

私が声をかけると、弓は振り返り、「あ、おはよう、たかし君」と、柔らかく微笑んだ。その、結婚したての頃のような自然な笑顔を見た瞬、私は絶対にこの笑顔を度と奪わせはしないと、自分ので改めてい覚悟を固めた。

の席で、私は弓に静かに告げた。 「弓、母さんたちからLINEが来ても、もう絶対に返信しなくていい。もし話がかかってきたら、適当な理由をつけて切るか、ないでくれ。おの振り込みも、婚際しなくていいから」

弓はそうに目を伏せた。 「でも……無したら、またお義母さんたちがって、このに押しかけてくるかもしれない……」 「丈夫だ。もし来たら、俺が追い返す。ここからは俺が全部引き受けるから、君はナナのことだけを考えて、今まで通りに過ごしてくれればいい。それに、あいつらには、俺がすべてをっていることはまだ絶対に悟らせない」

私の言葉に、弓はさく頷き、「分かった。たかし君を信じる」と言ってくれた。

そのの昼休み、会社の堂で1で昼をとっていた私のスマートフォンが、に震えした。画面に表示された文字は「母さん」だった。

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瞬で奥歯がギリギリと締め付けられるような、激しい嫌悪が込みげた。昨の今で、よくも平然と息子の私に話をかけてこられるものだ。

私は呼吸をひとつして、自分のの奥底に封じ込め、通話ボタンを押した。 「もしもし、母さん。どうした?」 努めてるく、いつも通りの「何もらない息子」の声を装う。 「あ、たかし。お仕事にごめんなさいね。ちゃんとご飯べてる?」

話の奥から聞こえてきたのは、録音に残っていたあの底の悪い声とは似てもつかない、甘く優しい母親の声だった。その完璧な面性に、私は鳥肌がつほどの恐ろしさをじた。 「ああ、今堂でべてるよ。そっちは変わりない?」 「ええ、元気よ。そうそう、実はね、来のお父さんのお祝いのことなんだけど」

古希――70歳の誕のお祝いだ。確かに来、親戚を集めて事会をするという話がていた。 「ゆみさんがね、『私にぜひ仕切らせてください』って言ってくれたのよ。所も駅の、あの級な料亭を予約してくれるって。本当にゆみさんは気が利くわよね。たかしは良い奥さんをもらったわ」

私は持っていた箸を、バキッと折ってしまいそうなほどく握りしめた。弓が自分からそんなことを言いすはずがない。母と妹がまた「男の嫁としての誠」などという理尽な理由をつけて、弓に料亭の代を全額支払わせようとしたに決まっている。

万円はらないその支払いを、弓が独代に貯めたあの残りない通帳から、さらに絞り取ろうという魂胆なのだ。

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