"消えた女性巡査" 第6話
「16のことですが、松荘のくで審なを見たことがあります」
「どんなでしたか」
「黒いワゴンでした。ナンバーまでは覚えていません。ただ、元のナンバーではなかったようにいます」
この証言を受け、当の交通取り締まり記録も調査された。しかし16のデータは部が消えており、完全な記録は残っていなかった。
方で、美咲の族にもきな衝撃がった。
母の千鶴子は、娘がに監禁されていたという事実をり、病院に運ばれた。16抱き続けてきた希望が、あまりにも残酷な現実によって切り裂かれたのだ。
「美咲が、あんな所で……」
千鶴子は病のベッドで何度もそう呟いた。
弟の健太も、りとしみに震えた。
「犯を必ず見つけしてください」
健太は警察に何度も訴え、自分も捜査に協力したいと申した。
佐々ジャーナリストも、さらに取材を続けた。松荘の元所者の族、当の温泉の関係者、隣の民。あらゆるに話を聞いた。
その過程で、温泉でタクシー運転をしていた鈴という男性から、な証言が得られた。
「そういえば、2003の4頃だったかな。変な客を乗せたことがあります」
鈴は記憶をたどりながら話した。
その客はの男性で、松荘までってほしいと言った。しかし、松荘はすでに廃業していると告げると、くでろしてくれと言ったという。
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「何か様子がおかしかったんです。汗をかいていて、落ち着きがありませんでした」
「特徴は覚えていますか」
「50歳。肉。髪はくなっていました。そうそう、に包帯を巻いていたのを覚えています」
に包帯を巻いた男性。
その証言は、事件当の期と致していた。
さらに松荘のを再調査していた際、壁の隙からさな片が発見された。
それはレシートの部だった。
文字はれていたが、かろうじて内の薬局名が読み取れた。
科学捜査研究所の解析により、そのレシートは20034頃のものと判した。
薬局は現も営業していた。
16の控えは残っていなかったが、当から勤務していた員が、奇妙な客のことを覚えていた。
「4の終わり頃でした。を怪した男性が、包帯や消毒薬を買っていきました。慌てている様子で、現で支払いました」
証言はなっていった。
包帯。
松荘。
黒いワゴン。
男性。
捜査本部は、ついに犯像を具体に描き始めた。
捜査線に、1の物が浮かびがった。
田清。
事件当51歳。松荘の元管理だった。
松荘が廃業したも、田は建物の管理を任されていた。鍵を持ち、定期に建物の点検をっていた物だった。つまり、松荘に自由に入りできるにあった。
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しかし、田は2005に病気でくなっていた。美咲の失踪から2のことだった。
「本に確認できないのが悔しいな」
吉田警部は、田の資料を見つめながら歯をいしばった。
それでも、できる限りの調査がわれた。遺族への聞き込み、当の、の所履歴、隣民の証言。16というが過ぎていても、残された断片を拾い集めるしかなかった。
田の妻、貴子は73歳になっていた。最初は夫のことを話すのをためらった。
「主はもうくなっています。今さら何を調べるんですか」
しかし、警察がで見つかった錠や、美咲の制について説すると、貴子の顔は変わった。
い沈黙の、貴子はしずつをいた。
「確かに、主は2003の4頃、を怪していました」
田は、松荘の管理作業に怪をしたと説していたという。包帯を巻き、しばらく痛がっていた。
「その頃、主の様子がおかしかったのは確かです。夜にすることもありました」
貴子は膝のでを握りしめた。
「美咲さんの失踪事件の報を見ると、異常に揺していました。警察が来るかもしれない、と何度も言って……何か隠し物をしているようでした」
「隠し物?」
「詳しくは分かりません。ただ、や物置を片付けていました」
この証言により、田が犯である能性は気にまった。
佐々も独自に田ののを調べた。
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